赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>グリフォン
( とりあえず害意があるわけではないらしい。そしてグリフォンとやらは己を赤の城とやらに連れていくらしい。そうして違う国から迷い込んだ己は、アリス!?アリスと言えばかの有名なおとぎ話に出てくる好奇心旺盛な少女が真っ先に思い浮かぶ。しかしどうやらここでは違った意味合いを持つようだ。時計を気にするウサギの出現もなければ、やたら小さな扉もないのだから。だからここは不思議の国でお前はアリス、違うか?……。……。……。……?さあ、分からない。分からないから答えるわけにいかない。ひとつの問いを無視してひとつの問いに答えを投げる。「……歩ける。抱えられるなんて真っ平ごめんだ」妙な世界の妙な場所だということは確かだ。そんな場所で、一人残されるかグリフォンについていくかで比べれば、後者の方がましに思えた。女王候補……そんなものになった覚えもなければ、なるつもりもないけれど。指し示された城をおざなりに見上げて、せめても睨みをきかせる。撫でられた頭にも抗議しようとするけれど、こんな場所で何かして命までとられたらたまらないと、性根にある臆病が顔を覗かせる。結局咎めることもないままで、城へと一歩足を進め。「……行きゃ良いんだろ、行きゃ。次期女王候補なら、現女王サマにでも挨拶すんのか?」空威張りで腕を組み、自分を大きく見せたなら、可哀想に見えないだろうかという腹積もり )
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