赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>悪魔
――っ、子供扱いをするな
( またしても瞬き一つの間にするりと距離を詰められ、頬へのキスを許してしまえばぞわりと肩を震わせ。どぎまぎと喧しい心臓の辺りを、握りつぶすようにぎゅうと握り締めながら苦し紛れの抗弁を。それでも度を超えたスキンシップに拒否の音を上げる事はなく、怪しげにざわめく森の只ならぬ空気に眉根を寄せ「 …我輩は、君の自宅へ厄介になるのか? 」言われるがまま、悪魔の男の隣へちょこんと並び、僕の家という返答に驚きを隠さず問いを重ねる。先に顔を出したのは、警戒心ではなく迷惑をかけてしまうことへの忍びなさで「 それは――済まぬ。厳い世話になるが、その分君の助けとなる事ならば、何でも言い付けてくれ 」筋肉で筋張った逞しい双肩をしょんもりと落とし、一介の男としての不甲斐なさに歯噛みして。出来る事は何でもやる、だから独りにしないでくれと、言外に語る縋るような視線を、悪魔の整った横顔へ向けて )
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