アリスは憂鬱な夢を視る　/　半無登録、指名制　/　NBL　/

＞ユニコーン

女王……ありす…。ふむ、私が、＿＿＿＿ううむ、此処はともすれば南蛮の資料で見た、いぎりす、という國に似ている気がしたのだが。女王候補を余所者から選ぶとなると、此処はまた違う國なのだな （ 信じられない、一言で型を付けようとするのならばそんな節が似合う様な、現実とは余りにも掛け離れた言葉が目の前の男の唇から溢れる。呆気に取られたように微動だにせずひとつ、ひとつ数える度に伸ばされる指を最後まで見詰めるとそこまで聞いてやっと考え込むように自分の指で顎を撫で。頭の回路が通常とは違う方に傾いた結果、何故か脳から弾き出されたのは自分に関する事ではなく為政への関心、まるで現実逃避でもするよう冷静に分析の最中冷たく感じる指が頬を撫でると顔を上げ真っ直ぐに菫色の瞳を見据えて「 ゆにこーん…。申し遅れてすまないな、私はコノエ、日の本に仕える軍人だ。何はともあれ私を選び、認めてくれた事に感謝しよう 」ふ、と相手につられ薄く息こぼし笑み浮かべては。「 お、っと。大事無いか？永く帰れないとなると私の部下達が心配になるが、先ずは君の身体が最優先だ。……もし良かったら、君の家に招いてはくれないだろうか 」唐突に咳き込んだ青年の顔を心配そうに覗き込み、傍らに寄り添ってぽんぽんと背中を撫でる。帰れない、という言葉に永続性を見止めて居ないらしく何日帰れないのだろうか、なんて呑気に考えながらもどうやら体調を害しているらしい話し相手を優先し一旦思考停止、快調に向かうためには馴染んだ住処が一番だろうと不躾を心得つつもそう提案して。）