赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>ダリア
そう、か。…しかし、こっちの方も痛そうだ(美しいが、不便なのも考えものだと頭に過ぎらせてから、そういえば、と相手の口元を示す代わりに自身の唇へ親指を這わせ。いわゆるパンク・バンドがやるような装飾はクラシックを専門とする己とは縁遠い世界で、未知と好奇心が刺激される。薔薇に対する態度といい大胆な性格かと思いきや、瞳の色に関する追及をしないところを見ると分別も持ち合わせているらしい。開かれた扉を見つめ、道中の説明を思い返す。此処をくぐれば、きっと暫く元の暮らしへは戻れないのだろう。それが良いことか悪いことかは分からないが、少なくともあちらに強い思い入れが無いことも確かで。ふぅ、と小さく息を吐いて覚悟を決めると、長い前髪を一度掻き上げて歩みを進め。「ああ。最初に出会えたのがダリアで良かった。この世界で路頭に迷わず済んだ恩は必ず返すよ」歓迎の言葉を受け振り返ると、ふ、と口元を緩めて礼を述べ)
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