赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
通報 |
>帽子屋
ふふ、ありがと(此方の申し出を了承してもらうと、嬉しそうに笑みを浮かべ、ハンカチをジャケットのポケットへしまいこみ。結ばれた指に相手からのぬくもりを感じれば、ふっと肩の力を落とし。飽きるまで。これまで、様々な人の家を転々として過ごしてきたけれど、今こうして繋いでいる手の安心感は、自分に”帰る場所”を与えてくれるかもしれない、なんて考えては深く頷き。「いつ飽きるかは分からないけど、暫くはお邪魔する!帽子屋のこと大好きになっちゃったもん!」ぎゅ、と相手の腕にしがみついてそう言うと、自分達を取り囲むように咲く赤い薔薇を眺めながら歩みを進め。「帽子屋が来てくれてホントによかった。私、この子達と仲良くなるのにはまだまだ時間がかかりそう」薔薇園を去る間際まで、蔦を伸ばしたりうねらせたりしている花達に、んべ、と舌を見せ敵対心を剥き出しにしながらそう言うと、さっきと違う景色にほうと声を漏らし。「本当に、さっきまで居た世界とは全然違うみたい。帽子屋はここで生まれたの?」建物の様子も、空気も、何もかもが異なる世界。そんな場所で暮らす相手は、自分と同じように迷い込んだのか、はたまた。腕にしがみついたまま歩きながら、相手の顔を見上げ問いかけて)
トピック検索 |