赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>オリヴィア
(まるで蜘蛛の糸でも掴んだかのように、生き延びるための命綱を手に入れたかのように、己に縋る彼女のことを確りと瞳に映しながら少しずつと落ち着きを取り戻すのを待ち。ハンカチの心配をするゆとりが心に生まれたのを見逃すことなく見つけるとアハハ!と明るい笑い声を落として「ハンカチなら洗えば直ぐ綺麗に戻るけど、目が腫れたら戻るまで時間がかかっちゃうでしょ。だから気にしないの」笑いを余韻として浮かぶようにクスクスと肩を僅かに揺らして返事を綴り。続いた問いかけに耳を傾ければ「ゴメンね、アンタのことを名前じゃ呼べないんだ。この国じゃ名前は無いのと同じ。アンタみたいにこの国に迷い込んじゃった子のことは皆アリスって呼ぶのがルールだからさ」折角落ち着いた彼女のことを再度戸惑わせてしまうだろうか、不安を胸に落としつつゆっくりと彼女がここに来た理由を、アリスがどうして必要なのかを説くように続け。「アリスはこの国にとって大事だから、生活するのに困ることはないよ。住む場所が必要なら赤の城に部屋も食事も用意されてる。アタシがちゃんと連れてくよ」バチンとウインクを添えながら今後のことを教えれば数秒ほど間を置いてから「アタシは城に住んでないんだ。アンタが一人が嫌だって言うならアタシの家に来ても良いよ」眉尻を少しだけ落として持ち上げる提案は、先ほどの余りにも不安を表に出すその様子を見ているからか。言葉を重くさせないためにふざけるような空気を纏うと「でも、城みたいに御馳走は出ないし部屋も広くないんだ。同居人も二人いるしね」と城とは比較するまでもない我が邸について補足して)
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