赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>オウム
Ciao、郵便屋さん。オレもあなたに会いたかったぜ。(目的地が見えているなら方向音痴でも迷う心配はない。木々の向こうに見える城を目印に、小道もあぜ道も気にせずに森の中をずんずんと進む。迷いのない足取りはいっそ清々しいほど。一つ、また一つと足元の木々の根を跨ぎながら急ぐ耳に届いた住民の声にナイトブルーの双眸が揺れた。職業柄、他者の気配には敏感である筈なのに彼の接近に全く気付けなかった。これだけ気が緩んでいるのだからナイフも避けられなくて当然かもしれない。昨夜の出来事を思い出せば場違いな笑いが込み上げたが、それは押し殺して見知った顔の方に歩み寄り。片手を挙げて口説き文句染みた挨拶を交わす。同居人に手紙を出したいから、無事に城に着いたら彼のことを真っ先に探そうと思っていたのだ。嘘偽りない本心である。怪我については縫合したからもう痛くも痒くもないのだと答え。肩口にそっと片手で触れると、少しだけバツが悪そうに、遊園地に向かう気はないのだと首を振って「ただ、しばらくは城に泊まろうと思うんだ。だから、行き先はあっちであってる」殊勝な態度もほんの僅かの間のこと。クスと喉奥を鳴らすと悪戯っぽく暗色の瞳を細めて)エスコートしてくれるなら、願ったり叶ったりだけど。
(/ひええ…平和ぼ/けが禁止ワードに引っかかったみたいなのでその箇所だけ加筆修正して再投稿させていただきました。それ以外は変更点はないので…。引っ込んだ背後がまたノコノコ出てきてすみません…すみません…。こちらの本体文はスルーして下さって大丈夫ですので。お目汚し失礼しました…!)
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