赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>ハンプティダンプティ
…っハハ!オリバーにとっては反対だけど、はんぷりーだんぷりーさんにとっても反対なんだ!変なの!
(掴まれた頬をもごもご動かせば、指摘された言葉に一瞬きょとり。次いで弾けるような笑い声を上げて手を叩いては、考えもしなかった思考の違いに目を細めて。メルヘンチックな店内に、どちらかといえばファンキーな出で立ちの彼は浮き彫りにされているかのようで、それは渡した花も同様。プレゼントしたのは己だというのに失礼ながら密やかな笑いがこぼれ、もっと似合うものは何だろうか、今度は何にしようかと次の予定を立て始める始末。件の花をレジ横に置いたのだろう気配を背後に感じながらショーウィンドウに近付けば、宝石箱という言葉がぴったりのガラスの向こう側に心臓がきゅうんと早鐘を打つ。なんだこれは、なんだこれは。目がチカチカと眩む様な気がして何度も瞬きを繰り返しながらひとり無言の感動に浸って。他の何にも意識を奪われない、そんな様子も一転、ここに来て初めて呼ばれた本名に、がばりと無意識に体が向いて。痛いくらいに見開かれた目と傾いた首が、分かりやすく動転を示し。「…オリバーのことオリバーって呼ぶ人はじめて」間の抜けた声がしげしげと呟き、それが嬉しいのかどうなのか己でも理解出来ずに、ただぽかんと立ち尽くし。アリスアリスと呼ばれるものだからそれがここで付けられた新しい名前だとばかり思っていたのだが、むしろ愛称のようなものなのか。それとも個人差があるのだろうか。余計にこんがらがってしまった謎は"サアビス"の一言に一時思考の隅へ。「オリバーの好きなもの…んー、クッキーの味しか分かんないからなー。あ!甘いものはね、多分全部好き!」両腕を組み考える素振りの後、ぱっとその腕をいっぱいに広げ笑みを咲かせて。しかし今日の目的は忘れていない。「でも今日は違うの。今日はお土産を見るんだよ!大人のひとが好きなお菓子ってなーに?」普段レジに立っているのだろう彼なら詳しい筈だと、並ぶお菓子を一つ一つ吟味しながら、視線はショーウィンドウに固定のまま尋ねてみて。)
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