赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>公爵夫人
__随分と怖ェ占い師も居たモンだ。
( 読みは外れた。人魚か白の騎士かのどちらかが彼に告げたのだと思っていたがまさか“占い師”をこうも都合良く使ってくるなんて。いくら凄腕の占い師だって信じて来なかったのだ、占い師だからと言って教えてもいない名前を当てるなど絶対に不可能だと__それは思い込みなのかもしれない。些か不本意で、胸中穏やかでは無いが完全否定をする気持ちになっていないのもまた事実。ふぅ、と細く溜息を吐き出すと同時にお酒の注がれたグラスが指し示した席へと腰を下ろす。荒く足を組んで目前の相手を見据えては、顔を合わせてから初の意地悪では無い褒め言葉に「名前に良いも悪いもねェよ」と弄れた返事を。徐に伸ばした右手はひんやりとしたグラスを握る。東洋酒独特の香りはあっという間に鼻腔を擽り早く、早く、と急かす気持ちが沸き上がればグラス同士を打ち鳴らす乾杯では無く軽く掲げる動作で音頭をとり。「…悪くねェ」ちびり、唇をつけたそこから口内に流れる酒の味の一口目で上物との判断を。自然と口元は弧を描いて )
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