赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>ルイス
老耄めが、立場を弁えぬその口を串刺しにしてしまおうか!(餓鬼、と呼ばれる様な年齢ではない。故に彼より伝えられたその単語は新鮮さを含んでおり、事実、見た目だけでも自らの方が下であることは彼の纏う雰囲気やその佇まい指先ひとつの動きをとっても伝わることで。にも関わらず減らず口は止むことがなく、無論本気で思っている訳では無いそんなからかいを含む言葉を続けて。教えていないはずの名を呼ばれると階段を登り切った際に振り返り確りと彼のことを見詰める。己が酒好きだと踏んで彼が来たことから誰かからその情報を得たという事は伝わっているが、ここはひとつ。数秒か、数十秒、年頃の女子であればミステリアスなその目付きにクラりと心を奪われること間違いなしの彼へ真っ直ぐな視線を送り。くつり、くつり、そうしてようやく喉を鳴らす笑みが零れた。「ルイス、お前は随分と奇特な奴だ。酒やでも始めるつもりなのかぁ?」様々な骨董品が代償問わずに転がる物に溢れた部屋を掻き分けて、そうして選んだのは辛口の日本酒。 気楽に飲むためかグラスを手にしてテーブルへ、その際には彼を真似るように教わっていない名を呼び掛けて)
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