赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>ユニコーン
( 手を繋ぎ直した少女は貴方の配慮にも気づかないで確りと握り返した。それから仲良しの子供みたく手を繋いだまま。軽口をたたく貴方には「本当? それってエスパーとかじゃないかしら」と冗談を返してやった。気づけば辺りは色とりどりの可愛らしいガーデンの中。貴方と話していたら周りが見えていなかったようだ。「わあ……綺麗ね」思わず見惚れていると貴方に呼ばれた。素直に隣に座った少女の興味は紙袋の中で、それらが花達の上に並べられていくのを見つめていた。貴方の手が止まればようやく貴方の顔を見て、食べてもいいかと聞いてみた。──答えはイエス。であるのは嬉しいことだが、その回答の仕方がちょっと……いや、だいぶ? これでもお年頃な少女の心情も考えてほしい。からかわれているとは明白で、けれど空腹は急かすばかり。「ぁ、あー……」思い切って口を開ければ、貴方に食べさせられた。羞恥に顔を染めつつも咀嚼する度に広がる美味しさは隠せないようで、ん! と声をあげればその一口を飲み込んで。「このタマゴサンド美味しいわ!」気に入ったのか貴方を見れば、あー、と自ら口を開けて待機をする始末。少女に恥ずかしさなど、空腹の前では皆無だったらしい。)
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