赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>ジョーカー
じゃあ急いで仕事しなくっちゃ。
( このままこの温もりに溺れていたい。何もかもを考えずただ与えられるだけの生温さに浸って呼吸をするだけで“幸せ”なのだ。それでもこの少しの立ち止まりを休憩と呼んでくれるのなら目的に向かって進まねばならない。クスクスと楽しげに笑い声を漏らしつつゆっくりと相手から離れる。温もりを失った部分は地下室のひんやりとした空気に飲み込まれてしまうが仕方の無い事。さも当たり前のように紡がれたアドバイスは相手のこれまでを象っているかのようで納得が出来てしまう。「私はねぇ、可愛く歌う薔薇が好き。それから白くてふわふわな物も、お姫様みたいな洋服も、内緒話も大好き」指を一本、二本、と立てつつ口元に蓄えた笑みそのままに“好きな物”を挙げればそこで漸く鉄格子に向き直り「ジョーカーが特別なハグをくれたから頑張っちゃおー」勝手に特別と決める所は変わっていない。それでも灰色になった雑巾でまた仕事を再開する元気は出た )
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