赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>ジョーカー
うわぁ、全然良い人じゃなかった。でももし帽子屋さんが悪い事した時にはちゃーんと捕まえて。そして私に教えてね。
( カツ、カツ、と靴音を鳴らしながらひんやりと薄暗い地下室への階段を降りる。その最中に返された言葉は看守として果たしてどうなのかと言わざるを得ないもの。されどそれは気持ちを擽るのに丁度の所にあった。クスクスと堪える事の出来ない笑い声を響かせつつピンと伸ばした人差し指をクルクルと回しては相手に負けず劣らずとんでもない発言を落として。目の前には聳え立つ鉄格子。差し出された真っ白な雑巾を受け取り一先ずその感触を確かめるようにぎにぎと指を動かしてから同じ様に鉄格子の中を覗き込む。確かに人っ子一人居ない。捕まえた囚人が突然跡形もなく消えるだなんてそんな魔法みたいな事があるのか。「__誰かが逃がしてるのかなぁ。それでね、誰にーも見付からないように二人何処かでこっそりと過ごしてるの。愛、だよねぇ」今一度確かめるように瞬きを落とす。それからうーんと考えた先に辿り着いた自論は聞く人が聞けばただの狂気に満ち満ちたそれで )
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