赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>レオナルド
(結合、出来るか。言葉が繋がった。体を縫い付ける?そう簡単には信じられない言葉に思わず身体が強張り、息をすることを忘れてしまう。その中で在っても何処か冷静に観察してしまう目が捉えたのは幾つもの傷が重なる、筋肉質な体。その体を見るだけで、彼が今までにだって危ない目に会ってきたと言う事は言葉よりも確りと伝わり。ヒュ、ヒュー、と浅い呼吸が数度繰り返され、緊張感に堪らず指先が震えてしまう。___生唾をゴクリと音を立てて飲み込めば張り詰める筋肉の乗った肩口へ、鋭い針の先を向けて。押し込むより前に、自らの袖口を捲くれば彼の口元へ自らの親指を運び「痛かったら、噛んで堪えて。声を上げたら、成功作が帰って来るから」親指で形のいい彼の唇をそっとなぞれば、改めて傷口へ針の先をひたりと触れさせて。……覚悟の後に、それでも慣れない手つきで布を縫うのとは訳の違う結合を始めて。布でさえ縫ったことなんて無いのに、人の肉を縫うことに慣れる訳もなく。余りにも長い時間に思えたその時間を終える頃には背中が汗でぐっしょりと濡れており。パチン、と糸を切ってから「―――ユニコーン。……日が昇ったらすぐにユニコーンの所に行って。若しくはジャバウォック。行くって、約束。」何方かの所へ行けば、どうにかしてくれる。自分が行ったことは露呈してしまうが、彼の怪我は治る筈。息が止まるほどの緊張感が解かれる様に、漸く長い息を付いて)
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