赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>ムカデ
うーん、ムカデさんにはぁ…、えっとー…。
(経験の少ない己に包丁を持たせるという危険行為を止められなかったことへの喜びを感じるのはまだ後のこと、兎に角その時心中を占めていたのは見切り発車で始まった料理への緊張と高揚で。さて何を作ろうかなと足りない頭を捻ってみるも、咄嗟に出てこないのは自炊者でないが故。方向性が決められないため相手への指示も出せず、曖昧な返答をしていればふと頭に違和感を感じ。髪越しに感じる手付きから何をしているか察しては、どんな髪型になるのか気になりそわそわと完成を待っていて。そうして出来上がったであろう髪をそおっと触れば、「…あ、これ三つ編みだ!ムカデさんおそろい?おそろい?ねえねえ、にあう?」編み上げられた感触から髪型を推定し、ぱっと振り向いては笑みを咲かせて。纏めるというからてっきりお団子辺りかと思ったが、よもやお揃いになるとは誰が思おう。だがその喜びはもれなく右手に持った包丁を伴ってのものであり、飛び跳ねるのは些か危険極まりないけれど。この頃には落ち込んだ気分などお陰様で跡形もなく、「じゃあじゃあはっぴょーします!きょう作るのはー……、コンソメスープです!」ででん、と効果音でも聞こえてきそうな態度で意気揚々と決めたメニューは初心者にも難しくなさそうなそれ。まあ難易度なんて考えた訳もなく、机の隅にパンを発見し、それの副菜にと選んだものが上手くマッチした結果なのだが。然して調味料が何処にあるかまでは知らず、「よし、ムカデさん!コンソメ探しからはじめよ!」なんて先行き不安、元気一杯に言い渡した最初のミッションは調味料探しで。)
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