赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>ムカデ
(お誘いへの色良い返事を得れば、やったと無邪気に歓声を上げ、もうすっかり慣れた道を歩いていこう。普段と変わらない道も、自らが誰かを伴って歩くのは何だか心が弾むもの。意気揚々と進んだ先は、だが無人を示すかのように宵闇を切り取ったかの如く真っ暗闇。寒々しい厨房にパチンと電気を入れながら、慰めを受け取るも一度地に落とされた気分は戻らない。「ムカデさん、ごめんなさぁい。せっかく来てくれたのにねライオンさん帰っちゃったから、ごはんもないや。」シュンと項垂れながら謝るのは、考えなしだったお誘いのこと。わざわざ足を運んで貰ったのに誰もいないし何もないだなんて。がつんと落ち込んだ分、むくむくと頭を擡げたのは何が何でももてなすんだという執念で、きっと辺りを見渡せば乾かされているのだろうまな板が目に入って。相手の傍を離れつかつかと厨房に立てば、以前使った厨を使った時の朧気な記憶を呼び起こし、棚から包丁を持ち出せば、ぐっとそれを握り締め「…お、オリバーが料理するんだもん!」と、こうなれば半ば意地で高らかにそんな宣言を。)
(/暖かいお言葉ありがとうございます!それでは場面転換の際にはまた背後が顔を出すかと思いますので宜しくお願いします!)
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