アリスは憂鬱な夢を視る　/　半無登録、指名制　/　NBL　/

>ムカデ

うん！やくそくね！…でもどーしたら見つけられるんだろーねえ？いま見てるムカデさんだけじゃー、ムカデさんのぜんぶを見たことにはならないんでしょー？
(断られなかった、その事実のみで返答をイエスと取ればぴょんぴょんと飛び跳ねながら喜びを表現して。とはいえ、一度落ち着いて考えてみれば、その人の全てを知り得る方法とは一体と今更ながらその難しさに頭を捻って。だいたいその人の全てと言ったって、どこまでを彼の"全て"と範囲付けするのか。もしや、これは大分無謀な試みではないかと、遅ればせながら気が付いて。唇を一文字に引き結び、凶相をより一層際立たせる顰め面で考えを巡らすも、その頭からは既にぷすぷすと煙があがるよう。思考回路はショート寸前、取り敢えず保留とすれば蝶々の話題へと飛び付いて。「おいしくないんならいーや。ばいばーい！＿＿じゃーあー、ライオンさんのおいしーごはんお城でいっしょに食べよーよ！そーしたらオリバーはムカデさんをまたちょっと知れるでしょ？…あ！でもでもあれだよ！おしごといそがしーんならジャマしない！ちゃんとバイバイする！ねえ、どーお？」逃げゆく蝶に手を振りながら見送れば、はっと何か閃いた顔で提案したのは夜食のお誘い。何か食すには遅い時間だし、厨房に行ってもお目当ての人がいるかは分からない。だが、それを考慮できぬくらいには己の案に浮き足立っていて、開けた森の先に見えるお城を指差し、相手の反応を待っていよう。)