赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>オリバー
―――誰が鼠を入れた。お前か、お前か、お前か――ッ。(本当の意味での楽しみを感じているのは己一人だと言う現状を知ろうともせずに、既に死体となってしまった彼女の片づけを白の騎士が指示を出すのに合わせ浴びる絶叫も音叉の如く響き渡る聲もが、途端に静まり返る。そんな中で現れたのは場に似合わない何とも平和なその声で。一瞬だけ現れたその姿に逆毛を立てるようなその雰囲気でゾワゾワゾワと背筋を震わせたのは絶対領域であると信じて疑わないこの場に現れた、得体の知れない存在だからか。瞳孔を開き、カっと眼を大きくすれば度の過ぎた潔癖症の為れの果て、「今すぐに鼠を捉えて此処まで連れてこい。トロトロするな、俺が今すぐと言えば今すぐに連れて来いッ」蜘蛛の子を散らすとはこのことか、また理不尽な首刎ねショーに巻き込まれては困るとばかり、その命令に合わせて集まっていた兵隊もメイドも脱兎のごとく彼女を追い掛け。とは言え、その顔は罪悪感に押しつぶされそうな哀れな物。白の騎士に宥めらるその間にも傲慢な思考は止まることを知らない、そんな男の前に彼女を連れ出すと言う事がどういう事かを知ればこその罪悪感なのだ。彼女を前にした一人のトランプ兵はこっそりと逃げ道を示すように指を一つの扉に向け、それを見つけた他のトランプ兵に捉えられる事となる。裏切り者を連れて行く事で、アリスである彼女から白の女王の気を逸らそうと言う魂胆か。ズルズルと引き摺られる様に助け舟を出したトランプ兵は再度、白の女王のいる場へと連れ出されて)
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