赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>オウム
ふふ、それはどうだろう。オレの気分と郵便屋さん次第かな。(くすくすと楽し気に呼気を零せば冗談交じりに。彼と別れた後は指示通りに廊下を進み、目的の部屋に辿り着く。室内に足を踏み入れた途端、鼻孔を擽ったのは青く清々しい藺草の匂い。驚いて見開いた双眸に映る光景はここ数か月で見慣れたもの「城の中にこんな場所があったんだな」目淵を細めながら室内の様子をぐるりと見渡した後に畳上に腰を降ろして。部屋の中央に置かれた座卓に頬杖を付きながら小奇麗に纏まった内装を何となしに眺めていれば、そう時間を空けずに扉が開く。宣言通り手早く準備を済ませたらしい住民に片手を挙げて応じながらも視線は彼の手元に釘付け。盆の上に乗るポットには見覚えがあるが、皿の上に並ぶ柔らかそうな食べ物は初めて見た。メレンゲドールに似ているようで表面の質感が微妙に違う。柔らかな色彩で表現された人形のような、それは一体何なのだろう。お茶と一緒に運んできたのだろうから食べ物の類いだろうとは思うが、もしかしすると視覚で楽しむものなのかもしれない。早く席に着く様に視線で促しながら、白い皿の上に行儀よく並んだ練り切りに興味津々と言った様子で身を乗り出して)それは?
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