赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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(細身のデニムにネイビーのケーブルニットを合わせた部屋着姿で眠気冷ましに訪れたのは日が昇ったばかりの庭園。早朝の澄んだ空気で肺を満たしながら、ゆっくりと歩みを進めていれば、先を駆ける小さな背中が蒼眼に映り。転びそうだなあと率直な感想を抱いたのと、前を行く人影がべしゃりと倒れ伏したのは同時で、思わず苦笑が零れる。実のところ赤ん坊や子供の扱いはあまり得意ではない。遠くから眺める分には愛らしく思うが、無垢な瞳に見つめられると自分の本質を浮き彫りにされるような気がしてどうにも落ち着かないから。動物と同じだ。手を貸さずとも立ち直ることを願って生垣の傍に佇んだまま、少女の様子をそっと見守っていたが、一拍の間を置いて返ってきたのは庭園中に響き渡るであろう声量の泣き声。左右を見渡せど、自分以外に人影は見当たらず仕方ないとばかりに重い腰を上げ。地面に降り積もった雪は、深緑や深紅を染め上げる白色ほど柔らかくはない。朝日を受けて輝く大地を靴底で踏みしめながら通路を歩き、少女の前に立って歌うように甘く囁く「Signorina」呼びかけに泣きながらではあるが顔を上げた少女と目線を合わせるべく膝を抱えて屈み。見知らぬ大人の姿をじいと見つめる二対のエメラルドに、事前に下衣のポケットに入れて温めていた指先を伸ばして。目尻に浮かんだ雫を人差し指で拭ってやりながら、悪戯っぽく笑った拍子に左耳のピアスが揺れて)そんなに泣いたら、アイスクリームみたいに溶けちゃうぞ?
(/お世話になっております。またしても状況説明のロルからで失礼致します。本日もリミットが23時頃となってしまうのですが、可能でありましたら上記の場面から黒兎様か、オウム様のどちらかとお話させていただきたく…!それではご検討のほどを宜しくお願い致します)
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