赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>ジェリー
(雪だるまを作ることも、雪合戦をすることも無い。素手で雪を触ろうと思う事が先ず無ければこんなにも露骨に雪に触れたのは何年ぶりか。赤く染まっている手をグーパーと繰り返し動かすことで冷たさを緩和させようとし、向けたカマ掛けは正解だった。感想はやっぱり、と言った所か。「悪魔は何でもオミトオシ」勿論そんなことは無い。にい、と企てるような笑みを口元に蓄えながら尤もらしくそんな返事を続け。顔を逸らしたまま、口を拭うかのように抑え込んだ彼の様子を見ればこの後は逃げてしまうだろうと勝手に思っていた。勿論、そう易々と逃がす気は無いのだからどう引き留めるかと言う方向に脳味噌を使う。そう思っていたからこそ、逃げる事が見えない彼の発言が耳に残り、彼にとっては重なる不運か興味を持ってしまった。「いま楽しんだ分の質問?、約束だ。包み隠さず答えるよ。」彼が知りたいのはこんな事じゃ無い。それを知った上で質問枠に当てはめる。やり口が汚いのは腐った性根だからこそ、「答えはイエス。冷えるようなお前の目がどう蕩けるのか、想像するだけで堪らない」くつくつ、と笑いを交えながら肩を震わせ返事の其れを。立ち上がった彼の腰元に手を宛がって、誘導をするように歩みを進めれば気分は満たされる様に上機嫌其の物で。触れた腰は想像していたよりもうんと細くて、余計に心を擽られる。城内へと足を運べば時折すれ違う獣耳の誰彼だったり腕が多く生える誰かに声を掛けられ、当たり障りのない返答を。そして連れ込んだのは自らの過ごす借りの部屋で、「少し大きいけど着れないことは無いでしょ、貸してあげる。貸し一つ」クローゼットを漁ればストックのスーツを取り出して、自らの着るそれの白黒が逆転した物をぽんぽんとベッドの上に投げ置いて「今はクリスマスパーティ期間だから、ちゃんとした格好じゃないと目立つよ。――って言うか、冷たいでしょ」そのまま自身は背凭れを跨ぐように椅子へと座り、背凭れ部分に肘を付きながら着替えシーンを楽しもうと)
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