赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>レオナルド
(普段の華美な装いとは違い、シンプルなフォーマルさを纏っていたその身が一瞬にして聖夜たるこのシーズンの話題を掻き集めるのではと言うほどに輝いた。折角付けて貰ったそれを崩してはならないと触れたくなる気持ちを懸命に抑え込み、「良き物を貰った。」ぽつりと漏らしたそれはまごう事なき本音のそれで。折角のクリスマス、クリスマスだから何か送りたいと思ったのではない。羊の雑貨屋にて何よりも目を引いたそのピアスを贈るのにクリスマスを理由にした。ピアスホールは彼に空いていた、シンプルなサファイアが彼の耳で煌いていたのをよく見ている。誂えたように似合うそれを外せとは思わないが、いざとなればピアスホールを増やすことに抵抗はないのだろうと身勝手に思い込んで選んだ物。隣に腰掛けた彼が躊躇いなく付けていたサファイアを外すと、選んだそれが気に入られたと言う事がヒシヒシと伝わり、外さなくて良いと思っていたそれが建前だったのかと思い知る。くつくつ、と潜める様に楽し気な笑い声を落としてから「腕に縒りを掛けて飾ってやろう」フワフワと揺れ、線が二重になる焦点を合わせながら間違ってしまわないように顔を寄せて狙いを定める表情は真剣そのもの。細かい作業は苦手か、幾許か指先が震えつつピアスを通してキャッチで抑え。ふう、と漏らした息は達成感を纏い、折角セットされた彼の髪型を乱すように力強く撫で回し「よぉく似合う、俺の目利きは流石だな」述べる言葉は自画自賛、揺れる折り鶴は心を掴み次第に"似合う似合う""美丈夫に磨きが掛かる"と糸目無しの褒め言葉に変わる。思い掛けないプレゼントに抑えの利かない上機嫌、すっかりご機嫌なままに乱した髪の隙間に覗く彼の顔を見つめ「楽しいなあ、」なんて感想を洩らそうか)
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