赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>公爵夫人
ふふ、オレがあなたを落とすような非力な男に見えるなら心外だ。(いくら見た目が華奢であっても女子供のように軽い体ではない。それでも、仕事柄鍛えた肉体を持つ己にしてみれば彼を一人抱えて移動するぐらい赤子の手を捻るようなもの。抱き上げた体を不用意に揺らすことも息を途切れさせることもなく、安定感を保ったまま、涼しい顔で廊下を歩む。時折、黒髪や頬をくすぐる掌に心地良さげに双眸を細めてされるがままに。両手が塞がっていなくとも同じことになっていたであろう。そうしてゆっくりと時間をかけて辿り着いた先は自分に割り振られた部屋。あまり私物の置かれていない、備え付けの調度品と寝台のみが存在を主張するシンプルな室内に踏み入れると、中央にでんと置かれたベッドの側まで歩み寄り、彼をスプリングの上にそっと降ろして「ちょっと待っててくれ」の一言。壁際のチェストの引き出しから掌サイズの白色の小箱を取り出すと、再び彼の元に向かい。毛先の長い柔らかな絨毯に片膝を立てて屈むと、足元から彼の表情を見上げながら、口許を緩めて「あのな、公爵さん。今年はたくさんあなたの世話になっただろう?」ぽつり、ぽつり。紡がれる飾り気のない言葉。細めたナイトブルーの虹彩に同居人の姿を映しながら、彼の膝元に片手を添えて)それで、ほんの気持ちなんだが、オレから日頃の感謝を伝えようと思って。
(/大変名残惜しいのですが、本日はこのレスにて失礼させていただきます。次回機会があれば続きからお話させていただけると嬉しく思います。スーツ姿の公爵夫人様にうっとりな背後からはこの辺りで…それでは本日も素敵な時間をありがとうございました!)
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