赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>レオナルド
(美味いつまみに底なく湧き出る泉のように次から次へと登場する美味い酒、共に何も考えられなくなるほど飲み続ける飲み仲間、と考えられる全ての娯楽が集まった環境だが、彼の姿が見えなければたったそれだけで何かが足りない。望めば現れたその姿にすっかり上機嫌。ウチのアリスはどこぞの誰より美丈夫だろ、良いだろう、とつらつら述べるのは止むことの無い親ばかのそれで。誘導されるがままに回した腕はそのまま整えられた彼の髪を撫でるように動き、そして宙を浮く感覚に堪らず″ぅおっ″と戸惑いの声を上げて。当初こそ宙を浮くその感覚と、ここの平均と比べてこそ小さくとも一端の男であるその感覚から、他ならぬ自分にとって″可愛い″存在である彼に持たれる違和感から落とされるのではと言う不安が浮かび、騒ぎ立てるように怖い恐いと繰り返し、実際に落ちては洒落にならないからか喧しい口とは裏腹に大人しく抱えられ。猫が爪を立てるようにぎゅうなんて可愛らしいものではなく、ぎちぎちと力を込めてしがみつきながら「歩けるから先ずは下ろせ、酔いも覚めるだろ」吐き出す行きの酒臭さはそれが酔っぱらいの戯言であることを示しており、揺りかごに揺らされ景色が変わるようなその現状が最早、現実なのか夢なのか。クルクル変わる景色とフワフワ浮かぶ非日常な感覚が恐くなくなる頃に、恐れは楽しさに姿を変えて「手を焼く子ほど愛いもんだ」からから、と笑い声を上げてしがみつく腕から力を抜いて)
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