赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>公爵夫人
(普段は軽く整えるだけの黒髪は、整髪剤を使って右前髪だけを無造作に掻き上げた緩いハーフバックに。ネイビーのジャケットと体の線に合わせた細身のパンツ、上衣の下にはオフホワイトのケーブルニット。カジュアルに纏めた洋服を身に纏ってシャンパングラスを片手にパーティー会場内を散策する青年はいつにも増して上機嫌。夜も更けた時間帯では幼少のアリスはおろか、住民たちの姿もあまり見当たらない。先日とある住民の手を借りて選んだ洋服の着心地はそう悪くない。見目に関しては言わずもがな。気の赴くままに酒を煽って、幸せそうに蒼眼を蕩けさせる。窓辺から庭園の様子を望みながら、穏やかに過ぎる時間を享受していたが、唐突に飛び込んできたメイドによって事態は一変。ずんずんと一直線に此方に歩み寄ってきた彼女にガシリと腕を掴まれ、問答無用で廊下に連れ出された当初は面喰ったが道中で事の顛末を説明されたなら仕方ないなあとばかりに双眸を細め。ものの数分も経たぬ間に辿り着いた一室、軽いノックの後に室内に足を踏み入れると、ぐるりと周りを見渡し。そうして同居人を瞳に捉えれれば、首を傾げて緩く笑み)Ciao、オレを呼んでるって聞いたけど?
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