赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>オリバー
(自らも同様に外に出ているのだから決して暖かい訳でも、増してや爬虫類特有の低体温のせいで冷たい筈の手にも拘らず、其れを上回る彼女の手の冷たさがどれほどまで真剣にやってくれたかと言うのを何よりも物語っていて。何を言うのか、馬鹿だと言われるのが好きだなんて。自分の口癖のようなそれであるが、その言葉を受けるのが良い意味だとは思わない。それなのに伝えられたその言葉は、今度は自分が戸惑いを受ける番にするのに十分で。「お前の言う事って時々マジで意味わかンねえ」怪訝がるように頭を少しだけ傾けて、そのままクイと左右に動かして「ホラよ、お前が手ぇ真っ赤にしてまで頑張ってくれたから。此処じゃ誰も転ばないぜ」トンと足音を立てる様に靴の先で地面を蹴り、先ほど盛大に転んでしまった事をからかうように触れて「全然温まらねえな、――頑張り過ぎだろ」どれだけ握っても温まらない彼女の手にハーと息を吹きかけて「しゃあねえな。頑張ったお前に褒美、……このまま遊ぶでも中入って飯食うでも付き合ってやる」もう少し一緒に居たいのはどっちなのか。つんけんとした言いっぷりで続けるのは捻くれたそんな内容で)
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