赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>蜥蜴のビル
(街中にいた時は積もる程の雪の日なんてなく、物珍しさにちょろちょろと動き回っていれば視界が一瞬の内に切り替わり、次いでしたたかに打ち付けた尻の痛みで漸く滑ったことに気が付いて。履きなれないヒールのせいか、注意散漫な性格のせいか、恐らく両方であろうが有難いご忠告は時既に遅し。とはいえこれもまた雪の日の思い出と思えば何て事はなく、クスクスと笑いを溢れさせながら「ビルちゃーん、もうこけちゃったー!」なんて事後報告を。ひとしきり雪の上で笑えばヒリヒリと痛む尻を庇いながら子鹿よろしく立ち上がり、雪掻き中の相手へ向かって歩き出し。「ビルちゃんはたらきものだねー。……、オリバーもおてつだいする!」折角仕事が休みだというのに結局無償奉仕に勤しむ相手へほぁと間抜けな声で褒めながら、ストンとその場に腰を下ろして。はしゃぎ疲れて暫しぼおっとその様子を眺めてから、何を思ったか突然始めたのは雪掻きの真似っ子で。スコップなんて用意していない為雪を掬うのは手袋も着けない素肌の両手であり、自身の周りの雪を掻き集めては小山を作って。耳と手を赤く染めながら、小さな成果に一人満足げに頷いていては「みてみてー!雪の山!すごいでしょー?」なんて自慢してみようか)
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