赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>蜥蜴のビル
オレは見え透いた嘘は嫌いだ。(くすくすと笑い声を零して空気を震わせたなら、先程告げた言葉は紛れもない本心であると楽し気に。案内された部屋の中に足を踏み入れ、ずらりと並んだ出番待ちの衣類を軽く一望。手始めに目に付いたネイビーのジャケットを手に取って、まだハンガーに袖を通した状態の生地の具合を確かめるように逆手で撫でやりながら付き合ってくれた住民に問い掛けを「パーティーはドレスコードって聞いたけど、別にカジュアルなものでもいいのか?」背後を振り返ることなく目線は手元に注いだまま。外聞に興味はないが、外見に拘りを持つ男の衣装選びは、手早く終わるか、貴婦人の買い物さながらの長丁場になるかの二択である。案内人を引き受けてくれた彼がどうなるかは、まさに神のみぞ知ると言ったところ)正装のほうがいいなら、あなたみたいにスーツを着ようと思って。
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