赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>蜥蜴のビル
いっ、(見当違いの種族を口にした抗議にぶつけられた額は思いの外、固かった。所謂石頭というヤツか。大した痛みでは無かったものの予期せぬ衝撃を受けた自身の額をさすりと掌で撫でやりながら苦笑混じりに「石頭のトカゲさんって覚えておくな」果たして反省しているのかいないのか。彼に続けて歩みを進めながら自らも自己紹介をと口を開きかけた刹那、説明された仕事内容の一部に感嘆の声を「Bravo!あの庭は、あなたが剪定していたのか!」いつ訪れても鮮やかな色彩で迎え入れてくれる薔薇のアーチは彼の手によって保たれていたものだと知り、爛々と瞳を輝かせて詰め寄り。美しく、手入れされた庭園には、腕のいい庭師が居るのだろうなとは常々思っていたが、他の住民にその正体を尋ねたことはなかった。その管理者が今、目の前にいる不愛想な住民なのだと知れば、感動もひとしおである)トカゲさんは服のセンスはなくても、素敵な手を持ってるんだな。あんなに綺麗なものを、オレは見たことがない。
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