赤の女王 2018-06-06 13:39:59 |
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>赤の女王
オリバー、じょーおーさまのこと助けてない。助けられない。先生は?ナースのおねーさんは?病気は病院で注射しないと駄目なんだよ?
(錯乱が終われば幼女の顔しか出来ない女は、それでも眉を顰めへの字に曲げた口から、肯定された病気の件について己が知る限りの対処方法を述べてみる。先程病院が無いと教えて貰った事などすっかり忘れ、助けられるとすればこれだけだと、己など何の頼りにもならぬと拙く伝えて。それはこの国のシステムも女王の存在義務も知らないからで、覚悟を持って玉座に座す彼女にベッドで休んだ方がいいと勧めよう。だが自身の容態の不安もあろうに、ふわりと相好を崩した彼女からこちらを気遣う言葉を受けては何とも言えない微妙な顔付きと共に頷きを。「来る、オリバーじょーおーさまの所に何時でも来るよ!ビルちゃんのお仕事手伝って、いっぱいお出かけして、いっぱいいっぱいお土産買ってくる!」話す間に、翳っていた表情は一生懸命なものへと変わっていき、最終的に笑顔でもって締め括られて。仕事の斡旋を受けるまでもなく、本人の中ではここまで連れて来てくれた彼のお手伝いをする事を決めているようで、お土産という言葉で次の訪れまで無事でいる様願っていよう。体調の悪化を悟った側仕えの視線を理解し、「それじゃあまた来るからね!今度はもっともっとお話してね!」腕の中から抜けた時同様名残惜しそうに扉の前に立てば、溌剌とした声が別れを告げて。その扉が閉まるまで、ひらひら揺れる手が暖かな人に届くよう振り続けられていようかな。)
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