助手 2018-05-23 21:25:11 |
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彼女たちにとって僕は何なんだ?自分の魅力を高めてくれるアクセサリーか?僕だって幸せな方が良い、でも僕の外面の良さはもう無意識なんだ、改善出来ない。
…そういえば、少しアルコールが入ってるみたいだ。君の捜査に支障をきたさないようにノンアルコールにしたのに自分で間違えたのを持ってきたら駄目だろう、あんまり飲まない方が良い。
(いつもに増して饒舌に話していたもののはたと何かがおかしいと気づいたようで、残り少ないグラスの中身を見ながらそう言って。相手が持ってきてくれたのがアルコール入りだったようだ、彼に配慮してノンアルコールを持ってきたのに自分でアルコールを飲んでいるのでは意味がないじゃないかと可笑しそうに笑って。当然アルコール入りなのは自分のだけだとは気付いてもいない。気付けば談笑していた客人達は殆どが寝室に戻り、酔ってソファに眠っている人が一人いるだけで。相手の言葉は耳に優しい、自分をこれほどに必要としてくれる、しかも取り繕っていない素の自分だと言うのにそれを認めてもらえる事はなんて居心地の良いものだろうか。おもむろに立ち上がり相手の腰掛けているソファへと移動すれば、その隣に腰掛けて何が楽しいのか屈託のない笑顔をこぼす。普段なら恥ずかしいことを言うなと照れ隠しに怒っていただろうか、既に完全に酔っ払いのそれだが、遠慮なく彼の左の腕を背もたれにしてソファの上に足を上げる。紡がれた言葉は彼に対する一種の欲望なのだろう、彼の心を支配するのが自分だけであれば良い。彼の揺るぎない信頼と承認を自分だけが受けていたいと、到底酒の力がなければ到達しなかったであろう、明日になれば確実にこんな話を自分がしたとは覚えてもいないであろう深層心理が口をついて出て。そう言いながら甘える猫のようにちらりと相手に視線を向けて目を細めて)
今まで聞いたどんな愛の言葉より、君は良い事を言うね。僕への愛情に満ちている。大丈夫、僕は出て行ったりしないし、君を見捨てたりもしない。…僕に依存してくれれば良いんだ、そうやって心の底から僕を必要としてくれる君がいる事が、きっと何より幸せなんだ。そうだろう、シャーロック。
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