坊っちゃま 2018-05-12 23:43:08 |
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……はい、坊っちゃま…。
(絶対など永遠などないことは知っている。自分が手を下すまでもなく老い死んでいった人間を何人も見てきたのだから、長い長い時間の中で人が脆くそして吸血鬼である自分と比べたらまるで刹那のように消えてしまう存在なのだと…知っている。いや、知っていた筈だった。それでも愛しい人と永遠を、少しでも長い時を願うことを誰が咎められるというのだろう。頬に触れる優しく柔らかな肌の温もりに目を細める、鼻腔を擽る嗅ぎ慣れた優しく甘い香り鮮やかに彩られていく世界にずっとこの瞬間が永遠に続くことを願い目を細めた瞬間、甘い香りが血の匂いに変わる。愛しい主人から吐き出された血に世界はモノクロに色を変えていく、苦し気にそれでも必死に自分からその吐き出した血を身体を使って隠そうとする姿にみるみる顔は青ざめては、震える手でその小さな身体を抱き締める。嫌だ、いかないでほしい、自分を一人にしないでほしい。そんな自分勝手な感情が身体を駆け巡っては目の前の現実を否定するかのように首を左右に振りながら何度も名前を繰り返し呼んでは一体主人の身体の中で何が起きているのかと子供のように怯えて)
坊っちゃま…っ!!?
い、嫌です…坊っちゃま……ギルベルト様…っ
(いえいえ、此方も遅れてしまいましたのでお気になさらず。
名前の件も全く問題ありませんのでどうか気にせずにまたお相手いただけたらと思います)
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