坊っちゃま 2018-05-12 23:43:08 |
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....エンリ..エッタ....、うん。うん...いつまでも、僕が君の傍にいるよ。絶対、絶対だ。
( 嗚呼、何て綺麗で醜い嘘だろうか。人間に絶対なんて無い。必ずその絶対は壊れるし、確定などされない。其れを分かっていながら言ったのはきっと、この幸せに満ちた瞬間故だろう。だがしかし、嘘でもいいではないか。この暖かな今を、愛しい彼女を守る為なら、少しくらいの嘘が許されても良いではないか。既に自身の身体に、限界があるとしても。病を治す事が出来なくたって、彼女を想う事はできる。愛す事はできる。我儘を赦して下さい、神よ。僕はやっぱり生きたい。彼女に隠し続けてきた病故の死を、もう少し先延ばしにして下さい。そう祈る様に、彼女との残り少ない時間の中で実った愛を至極喜び、涙を流しながら頷いた。頰同士を擦りよせ、顔を離してにこりと、太陽の様に笑えば、次の瞬間。その幸せを壊す様に。否定する様に、自身の中の悪魔が牙を剥く。)
っ..ぐふっ..!
( 胃から込み上げる胃液と血が混ざった液体が口から出そうになるのを手で塞ぐも、隙間からは血が噴き出す。まずい、最近まではかなり身体の調子が良かった筈なのに、何故今更になって..何て考えているものの、そんな呑気さは吐血の苦しみに掻き消される。必死に彼女に血を見せない様、自身の身体で床に飛び散った血を隠す様に覆い被さって、)
( 遅れて大変申し訳ありません。此方も次回から気をつける様に致します。)
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