【3L】 炭酸水 に 溶ける夢 o｡O [ｱｲｽﾊﾞｰｽ/特殊設定注意/ｽﾄｰﾘｰ重視/ﾛｽﾄ有り/背後相性重視]

>71 入夏 蓮


天清先輩。

(それとなくしてみた指摘への反応にも素直さが伺えるし、くるくると表情を変える相手の様子は何だか新鮮で微笑ましささえ覚えてしまい。それでも、次に続いた台詞……名前に対する誉め言葉は、言ってみただけの社交辞令かなと判じて特に気にとめなかったが、"さん付け"の呼び方のほうは、これも学内ではあまり一般的でないように思え、端的に訂正を入れて。しかし、それとほぼ同じタイミングで珈琲を両手に持った部長が戻ってくれば、すかさず『あーあー、堅苦しいなー』とクレームをつけられてしまい。呆れたように半笑いを浮かべつつ、機嫌も良さそうな部長は、テーブルに珈琲を並べながら『皆のこと、好きに呼んでいいよ。特に依澄ちゃんは今日から院生だし、天清さんって呼んでる人、他にもいるから。そんなお堅いサークルじゃないからね』と恐らくは彼に向けて付け足し。確かに"自分にとっては下の学年"という点だと、彼と変わりない部長が今のように呼んでいるのだから、学内の風潮はともかく、この場でするには説得力に欠けた指摘だったのかもと考え直せば、さっき、相手が名前以外のところも誉めてくれていたことを思い出して。ぼーっと自分の世界に浸っているうちにまた、無愛想な雰囲気に戻りつつあった表情に、再びほんの僅かな温情を取り戻せば、相手に向けてごく控えめな笑みを浮かべ)

そういえば、説明を誉めてくれてありがとう。ここでは映画の自主制作もやったりするから、君もそのうち、人前で話すのに慣れると思うよ。