Dream 2018-04-22 17:28:49 |
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( 風が吹いて、彼女が微笑んだ。耳に触れる動作に従ってふわりとなびいた黒いローブと、ふんわり広がる緑の黒髪をぼんやり見つめる。絹のように滑らかな感触を想像して、あぁ、とワンテンポ遅れて彼女の言葉に肯定を示した。
周囲でひときわ大きな歓声が上がったのは、風がまた吹き付けて、目を細めるのとほとんど同じタイミングだった。反射的に競技場へと視線を向ける。どうやらスリザリンのシーカーがスニッチを捕まえて、試合が終了したようであった。「終わったようだね」何がそこまで楽しいのか、馬鹿みたいに湧き上がる人ごみの中でそう簡潔に告げて、すっくと立ちあがる。己の所属している寮が勝利したからか、周囲の生徒に掛けられるおめでとうの嵐に上っ面だけの愛想を振りまいて、隣に腰掛ける彼女の肩に手を置いた。すると、すぐ近くではっと息をのむような音が聞こえ、顔を向ける。たった今現れたのであろう、レイブンクローのローブを纏った少女がこちらを見ながら立っていて、小夜の隣が空席だったことと合点がいった。恐らく、自分が来る前まで沙夜はこのクラスメイトと一緒にクディッチを観戦していたのだろう。通路が人でもみくちゃになる前に共に席を離れようと思っていたが、先約が現れてはそうもいかないので、困惑の表情を浮かべる友人であろう少女を微笑みで軽くあしらい彼女に向き直る。「──沙夜」白皙の少女。どこまでも深い黒の瞳と視線を合わせて、肩に置いていた手をそっと下ろす。「明日日曜日、図書館においで。何でも教えてあげるよ」そう囁くと、彼女の返事を待たず、微笑みだけ残して背を向けた。 )
大変お待たせいたしました……!お心遣いをありがとうございます。
差し支えなければひとまずクディッチ編はここまでということにして、次の場面に移りたいのですが大丈夫でしょうか?
こちらのロルに返す形で締めていただいてもかまいませんし、はたまた新たな場面に移るロルを書いていただいてもかまいません。やりやすいようにご返事いただけると嬉しいです。今後ともよろしくお願いいたします。
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