先輩 2018-03-26 09:24:42 |
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… 、酔ってるから見間違えてるだけですよ。 俺はいつも通りです。 ( 相手の言葉の中にどこか優しさを感じて、涙ぐむのを抑えながら、へらりと極力いつものように笑って見せて。 相手が着替え始めれば、なぜかぱっと視線を逸らしてしまい、自分でもなぜ逸らしたのか逸らした後に不思議に思い首を傾げる。見てはいけないもののような気がして目を逸らしたまま、しばらく待っておそろおそる相手を振り替えれば着替え終わっていて、ほっとしている自分にも首を傾げて。相手の足元には雑に置かれたスーツがあって、それを拾い上げながら、横目ですぐに寝ようとする、というかもう既に寝てしまっている相手に、 「 … おやすみなさい、先輩。 」 と聴こえてはいないだろうが、ぼそりと呟いて。相手のスーツをハンガーにかけ、自分のスーツもかければそのままシャワーへ。シャワーを浴びながら、今日のことを思い出す。振られたといえど、諦める気はさらさらない。が、まさか落ち込む暇もなく未だ想っている相手が家にいるとなると、この後緊張で眠れる気がしなくて。さてはてどうしようか、なんて考えがまとまらないまま浴び終わり、服を着替え、髪を雑に乾かし寝る支度を整えれば相手の様子を見ようとソファを覗き込んで。寝息をたてて寝ている相手の顔は、酔って寝ていてもやはり綺麗で、ソファの下に座ると、思わず見入ってしまって。少しぐらいはいいだろう、と相手の頬に手を伸ばして、そっと触れてみる。 風呂から上がって適度に温まった体で座り込んでしまっては眠気も襲って来て、こくりこくりと首が揺れ、鈍った思考で、手繋ぐくらいいいだろう、なんて思ってしまえば相手の手に触れ、緩く握ればへらりと安心したように表情を緩ませると、いつのまにか夢の中。 )
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