先輩 2018-03-26 09:24:42 |
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慣れないこと、俺のためにしてくれたんすね。 ( 眠たいと言う相手の目元に親指を這わせると優しく撫で、その表情も優しいもので。自分のためにしてくれたことが嬉しくないわけがなく、もっと嬉しさで胸がいっぱいになり。 去り際に渡された小さな箱を見て首を傾げ、今日がバレンタインの当日だと完全に失念していて立ち尽くし。数回瞬きをした後、通り過ぎた社員の口から聞こえた“バレンタインデー”の言葉。相手の姿が見えなくなってから気付き声をあげようとしたが叶わないものの、顔が熱くなるほど嬉しく、このにやけ顔はまずい、と片手で口元を覆い。 今までの誰からもらうより嬉しく、少しの間立ち尽くし。ハッとして我にかえると、早足に自分のデスクへ戻ると、そこには義理のチョコレートの山が。自分がいない間に置いていった女性社員がいたと隣のデスクの先輩が皮肉っぽく言うのを苦笑しながら受け答えし。 デスクの上に重なるチョコレートの箱の山を一つの袋にまとめ、恋人からのものは鞄の中に大事にしまいこんで。 仕事が終わり、少しづつ増えていく菓子の山に苦笑しながらも本命だというものは丁重に断り帰路について。 自宅につき待ちきれず早速相手からもらった包みを開き。 一口食べると、甘すぎないその焼き菓子から相手の気持ちが伝わってきて。 一言しかない手紙を片手に、食べながら相手に電話をかけ。 )
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