先輩 2018-03-26 09:24:42 |
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元気になったらいくらでも揶揄いますよ。 早く揶揄わせてください。 ( いつもの自分なら揶揄っていたが、病人の相手をわざわざ揶揄おうとも思わず。 早く治ってほしい、と遠回しに言うと、指の背を相手の頬に這わせ。 お互いの距離は縮まったのは縮まったが、まさか相手から直接好きになった理由を聞かれるとは思わず。 ぱちぱちと瞬きを数回繰り返したあと、相手から視線を外さずベッドに頬杖をついて。 次いでゆっくりと瞬きをし、しばらくじっと相手を見つめ記憶を思い出し。 「 …いつでしたかね。きっかけかぁ…気付いたら目で追ってた、んすけど。 入社してすぐ、男なのに綺麗って思ったのが印象的で。 思えばそこで恋してたんすかね?、 自分でもよくわかんないんすよ、自分から人を好きになった事は片手で数えられるくらいなんでね。 まつ毛が長いなーとか、肌綺麗だなーとか、触れてみてーなって。 あ、一番グッときたのは、初めて薫さんが甘いもの食べてたのを見た時で。 いっつも崩れない硬派な薫さんの顔が、ふわって笑ったんすよ。 あれは反則だったなー。 」 ゆっくりと、落ち着いた声色で相手を好きになった経緯を話し。恋に急に落ちたわけではく、じわじわと自分の中に生まれてくる感情があり、それが恋をしていると気付くのは自分から恋をした経験値が少ないからか少し時間がかかって。 相手の額に手を伸ばし、少し汗ばんでいる髪をよかしながら、優しい視線で見つめていて。 )
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