先輩 2018-03-26 09:24:42 |
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頑張ることじゃねぇだろ、無理して来なくてもいいのに。そんな俺と映画行きたいのかよ。( ホラー映画と聞いた瞬間に表情が変わった相手の様子から、どうやらホラーは苦手らしく。本来の目的忘れてるぞ、とツッコミたくなるが、自分にとっては好都合なので敢えて黙っておき。苦手なホラー映画を我慢するほど、自分と映画を見に行きたいのかと。「 お前も、俺を見た目だけで判断せずに接してくれただろ ? それはすっげぇ嬉しかった。いや、何ていうか … そんな考えてくれてるとは思ってなかったから、正直戸惑っている、正解が分からない … 、 」相手も自分を見た目だけで判断せずに、中身をしっかりと見てくれた。初めてのことだったので、それは本当に嬉しかったと。こんなに自分のことを想ってくれているとは予想外で、戸惑いが隠しきれず。相手のためにも気持ちに応えてやるのがいいのか、だがそんな同情とも捉えられる浅はかな気持ちを向けるのは酷過ぎると思い。相手にどんな言葉をかけてどんな行動をしてやるのが、相手にとって幸せなのかが正解を導き出せず。唇に感じた柔らかな感覚は、記憶の片隅にある相手の唇の感覚と一致し。恋人でもないのに、二回も口付けしてしまった気持ちは何とも言えない複雑な気持ちで。だが、嫌ではなかった、嫌だったらとっくに抵抗している。相手が離れると暫くはぼーっとし、謝られたことで漸く起き上がり。二人して気まずそうにしていると、タイミング良くチーズケーキが焼けた合図が。「 … いや、お前が謝ることじゃ、」と言ってから足早にキッチンへ向かい。一人になると、我慢の限界を迎えて耳だけではなく顔も薄らと赤く染め。ふぅ、と深呼吸をして落ち着かせるとチーズケーキを出したり切ったりし。 )
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