語 2018-01-26 23:18:09 |
通報 |
p2 : 図書館について
東京郊外に位置する日本帝国図書館東京都支部( 以下帝都 )。四階建ての膨大な数の書籍を収容する帝都は特定の会員証を持つお客様のみが利用でき、会員証を持たない方は利用疎か帝都を見つけることも不可能だと言われています。
会員証を持つのは世界でもひと握りの人間のみ、管理人( 以下語 )が独自の基準に当てはまる方にのみ会員証を添付した手紙を匿名で送ります。但し語の人選ミスも多くありますので、会員証を貰ったからと言って確実に帝都を利用出来るとは限りません。最大の基準は読書家であること、とでも記しておきましょうか。
帝都が会員証を使用し厳重なセキュリティ体制をとる大きな理由に、帝都の従業員があります。ここからは帝都最大の機密事項となります故、一切の公言を禁止致します。
↓ ( 暫くの空白 )
帝都の従業員は、人間では御座いません。生命を持ち言葉を持ち独自の感情を抱いた人間と何ら遜色無い彼らは、機械生命体、アンドロイド、ヒューマンフォーム・ロボット。人間とは似て非なる存在なのです。
機械生命体開発の最中突如姿を消した科学者、 " 語部 創 " ( かたりべ そう )によって生み出された彼らは帝都に解き放たれ、語部によって最初の命令を受けました。
「 どれでも良い、ひとつ本を読みなさい。それがお前達の血と成り肉と成り頭脳と成り、感情に成る。 」
言われた通り各々の好きな本に手を付けた彼らが選んだのは、偶然か必然かどれも不思議な世界各国の御伽噺。語部によって言語プログラムを植え付けられていた彼らは初めての紙媒体に触れ、文を読み、挿絵を眺め、性格の基盤となる " 感情 " と、挿絵を元にした容姿を手に入れました。御伽噺を読んで彼らがどう感じたか、何を学んだか、それが " 感情 " へと結びつきます。その後大方の性格が決まった彼らは思う存分文字に触れ紙に触れ、現代技術では実現不可能と考えられていたあらゆる感情を手に入れたのです。
そんな生活から半年が経ち、遂に帝都が開館する運びとなりました。この帝都は純粋に本を愛し、帝都の存在を秘密にする契約を交わした会員様にのみ利用を許可しています。読書並びに本の貸出、また従業員との交流も推奨しております。どうぞ充実した時間をお過ごしください。
【 帝都マップ 】
1階 受付 、 貸出返却スペース 、 ビデオ鑑賞コーナー
2〜4階 書籍 、 文庫 、 絵本等 、 自動販売機
屋上 人口芝生の遊び場
>p3 : 従業員名簿
トピック検索 |