とある。 2017-12-10 18:10:40 |
通報 |
『 拝啓、愛しい主。 』
刀剣乱舞
……とある初期刀の話。
_ _ _
___拝啓、愛しい主。
お元気ですか。
俺は勿論元気です。
貴方は覚えていますか。
俺が顕現した日に一緒に植えた桜の木を。
_ _ _
『桜の木を植えましょう』
この世に顕現してから十分も経っていないのに、突然の提案で戸惑いを隠せませんでした。正直、何を言っているんだと不審に思ったのを覚えています。
『この木が枯れる時まで一緒よ』
そんなの無理だと思いました。何せ、1000年を超えても枯れない木もある。人間がそんなに生きられる筈がないと。
でも、貴方の顔を見ていたら、何だか本当に1000年だって一緒にいれるのではと思えてきたのです。
貴方との生活は、とても楽しく、何時も新鮮なもので満ち溢れていて、何とも充実したものでした。
新しい刀剣が増えてきた頃、一番の古株である俺は他の刀剣の世話で貴方と話す事が減ってしまいました。戦闘でも、怪我を負うことが減り、貴方は別の者達に付きっきり。もう心配してくれる事は無いんだなと感じました。
『お疲れ様。疲れてない?』
でも貴方は、最後は必ず俺の所へ来て、心配してくれましたね。嬉しかったです。すごく、すごく。貴方の笑顔が一番の癒しでした。
『大将……』
『主……まだ、やりたいこといっぱいあったのに……っ』
(___ああ、やっぱりだ)
やはりそんな楽しい日々が1000年も続く筈もなく、貴方は僕達の前から消えてしまった。約束したのに。俺は独りになってしまいました。その時初めて、心が空っぽになる感覚をおぼえました。
その日の夜、貴方の部屋からあの手紙を見つけました。
『私が死んだその時は、どうか、桜の木の傍に埋めて下さい。あそこは との、大切な、大好きな、想い出の場所なのです。』
_ _ _
それから早1000年もの時が経ちました。
主、貴方は約束を果たしてくれました。
ありがとう、大好きです。
貴方の初期刀より
_ _ _
主とともに他の刀剣は消えたのに、何故か独り、残ってしまった初期刀の話。
その初期刀は誰か、ご想像にお任せします……。
思いつきでぱっと書いてしまった。雑い……。
トピック検索 |