xxx 2017-12-05 23:46:58 |
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未だ楽にはなれぬ、か…。本当に人生とは儘ならぬものらしい。
(人生の先を行く者からの言葉はずっしりと重く、心の琴線に触れる。両極端な望みを抱くからこそ、ぐらぐらと天秤は揺れる。秤の上に乗っていたものは何か、今はそれさえも曖昧になってしまったが。陽光へ翳した手は確かな輪郭を持って、己の顔に影を作る。この手に繋ぎ止めたかった手はとうの昔に雲のようにすり抜け掻き消えてしまった。幻影を求め必死に伸ばした手は、今は脱力したように脇に垂れ下がっているのみ。瞳を射る光の向こう、遥か遠くに一瞬誰よりも大切で失くしたくなかった彼女達の存在を感じた気がする。足元にはきっかりと境界線が引かれ、踏み越えられないラインが存在する。眩しげに瞳を細めほんの少し、愛に包まれていた頃の己に戻る。軈て一つの区切りをつけるべく、窓へ背を向けた。視線を室内へ戻し、瞼を閉じた寡黙な男を見遣る。不思議と心は凪いている。彼の言葉のお陰で、今日この瞬間、本当の意味でこの屋敷で生きていく覚悟が出来た気がする。自分も彼の言う訪れるべき時を待ってみようか。)
…その時を待ってみるのも一興かもしれないな。貴方のおかげで、少しばかりその時を楽しんで待つ余裕が出来た。…と言っても、全てを享受するには時間が必要だが。
(長く話し続けて彼も疲れた事だろう。静かに過ごすつもりで来た蔵書室で思わぬ収穫をしてしまった。話の性質上重くなりがちな空気を断ち切るように最後の一言は力の抜いた声音で呟き、戯けるように軽く肩を竦め。乾いた口を潤すように、カップの中の紅茶を味わいつつ、全て飲みきる。長居した事で彼の手を止めてしまった。娯楽としての読み物を数冊棚から抜き取り、今一度礼を告げては奥の読書スペースへと足を進め、日が暮れるまで読み耽ろうか。)
有難う。今日は貴方と話せて良かった。仕事の邪魔をして悪かったな。少し向こうで本を読ませてもらうよ。
前回の続きより付き合ってくれて感謝する。
これ以上会話をすると貴方に情けない所を見せてしまいそうなんでな、名残惜しいがここで一旦話を区切らせてもらう。
さて次の交流はまた日を改めて。
今日は貴方との会話を余韻に、休む事とするよ。
有難う、貴方に良い夢が訪れる事を願おう。
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