××× 2017-11-23 23:11:06 |
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>>36 ニャルラトテップ
( もしかしたらこの人も誘拐された人なのかもしれない、なんの根拠もないが自身の問いかけた言葉に乗せたそんな僅かな希望さえも薄い口唇から零れ落ちる冷えた言葉に打ち砕かれ。あの細腕に似つかない恐ろしい程の力で掴まれた━━否、捻り挙げられた手首を思わず擦る。物理的に押さえ付けられることはなくとも突き刺さる視線にまるで腰が抜けたかのように動かない身体。ここがどこであるか、今が何時なのか、何もわからない。自身の全てをこの男が掌握しているのだ。その事に恐怖を感じないほど鈍くはなく、そうして恐怖はヒトの思考能力を低下させ、眼前の彼が言った ” なぜ自身の名を知っているのか ” その問に対して半分も理解出来ていない、そんな視線を相手に向ける。そして続けざまに投げかけられる問達。男の機嫌が降下していくと共に部屋の気温が下がった、そんな気さえ起きて意志とは相反し寒さなのか歯がかちりかちりと静かな部屋に響き渡る。
「 ……ッ、 」 息を飲み決して逸らすことを許されない混じり合う視線そのままに━━知らない。そんな意味を込めて首を振る。「 俺は…、あなたの名前なんか知りません 」 そう怯えや焦りは隠さずともはっきりと問に答え。だがしかしそこでふと思い出した。自身は彼を見た時なんと言ったか…?そうだ、” ニャルラトテップ ” 確かそんなことを口走ったのではないか。そんなまさか。余計なことを口走る前に緊張で冷えて感覚のなくなり始めた手のひらで己の口を覆う。もちろん、如何にも何かありましたとばかりな反応をしたことをこの男が見過ごすはずはない。知らないと言ってしまった手前どうにかして誤魔化してしまおう、そんな愚かな思考も無いわけではないが本当に目の前の人物が人ならざる者であるなら通用しないことは定か。ならば真を話せば良い。気分を害してそのまま命を奪われることになるだろうか?または興味をなくして元の場所へ返されるのだろうか?意を決して口を開き、 )
俺は何も捧げていないし、何も得てはいません。………━本当に貴方が神の一柱であるならば俺の言葉に偽りがない事もわかるはず、そうですよね。
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