とある街の昔からやっていた人形店ヨシハラ。
そこの店主は人形に魂を宿らせることの出来る不思議な力を持つ人形師。アンティーク調の佇まいで中はどんな客層でも入りやすいような木とアンティークを上手く使ったインテリアで安らぎのようなものを不思議と与えてくれる。店主は白髪の優しい目をしたおじいさん。その街の住人や人形好きの間では知らない者はいないほど有名だったしいつも店には笑い声とほんわかした雰囲気で包まれていた。
しかし長らく開いていた人形ヨシハラだが店主が亡くなり店を閉じてしまった。店のファンだった客達は残念がり中には泣いた者もいたよう＿＿
そして時は流れ＿＿
「…あ、ここ…私が小さい頃よく来てた人形のお店の近くだ…懐かしい…最近全然通ってなかった…でももう閉店しちゃっんだよね…やっぱり寂しいな…」制服のスカートを翻し少女は呟く。
「…あ、あれっ？何か電気…ついてる？え？！嘘…っ！」少女は思わず駆け出す。嬉しさと驚きでごちゃ混ぜになりながら…。
息を切らし店の前に到着した少女は微笑む。アンティーク調の佇まいガラスケースには可愛らしい人形が並ぶ＿＿
「…またお店開けたんだ…なんか…嬉しい…ん？」思わず瞳に涙を滲ませる少女だったが店を覗く自分以外の者を発見した。
「ああ…今日も美しい人形達と店主様…」プラチナブロンドの髪は腰まで長く少女と同じ年くらいの少女。彼女も人形がそのまま人間になったんじゃないのかというくらいに整った容姿をしている。プラチナブロンドの髪の少女は店内にいる店主らしき男性と取り巻くように二人の異様に綺麗すぎる男性と女性とこれまた異様に綺麗すぎる店員達をうっとりとした目で見つめていた＿＿
合図があるまでお静かに…。
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