店主兼社長 2017-10-28 21:18:39 ID:1a2c5fc45 |
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突如影から漏れ出る声に驚きもせずにため息を一つ。そういえば奇術師が一人いたな、などと懐古に一瞬思考を巡らせる。
「あまりいい趣味ではありませんね。まぁいいでしょう。見立てでは、私の全盛期には及ぶべくでもありませんが、そこそこの量の鉱脈が埋もれているようです。」
全盛期は返り討ちにした兵士の武器や鎧で文字通り山のような巨体を誇っていたが、今は巨体ではあるが人一人分の体積しかない。封鎖されたとは言え人が手を付けた鉱山、埋蔵量はたかが知れている。無表情に六英雄への恨みを加えながら掘り出した鉱石を机の上に置くと気を利かせたらしい執事風のホムンクルスがワインを手に部屋に入ってきた。無論、客人を饗すためだ。
「私は飲めませんが、どうです?昔話に花を咲かせるというのは。」
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