遠野 千尋 2017-09-16 18:35:11 |
通報 |
……拓斗…俺は…多分…お前のこと好きなんだと思う…。でも…自信がないんだ…俺は人の愛し方が分からない。…俺の両親は…いるけど…いない…。俺は両親から愛して貰えなかったから…。
(ムッとしたり緊張したり…自分にドキドキしてくれる彼がやっぱり愛しく思う。でもこれはこの感情は本当にそうなのか…それがわからない。首の後ろに回った彼の腕きゅっと抱き締められながら言葉を紡ぐ。ここまで彼に言わせたのだから自分も本音を隠してきたことを彼に話さなければ…そう思っては口を開いて。「……お前くらいの時には一人暮らししてたって言ったろ?…俺は生まれて物心つく頃から…いや、つく前からいつも一人で食事してた。テーブルに菓子パンとかコンビニのおにぎり一つだけ置かれてて文句も言わずにそれ食ってた…。物心付き出してからはテーブルに置かれる物が金に変わった。起きても寝ても家には誰もいないのは変わらなかったのに。友達の家に行くと友達の母親は家にいた。ニコニコ笑って俺を迎えてくれて…そこで気づいたんだ俺の家は何かおかしいって…。でも両親は二人とも働いてるから忙しいんだろうって蓋をした…。でも俺が高校に上がって何も変わらなくて夜遅くに帰ってきた母親掴まえて聞いたんだ…我慢の限界も来てたしキレ気味にさ…そうしたら母親もキレてきてさ…“あたしもあの人もあんたなんかいらなかったのよ!あたしだって産みたくなんかなかった!でも気づいたら下ろせない段階まで来てるって医者が言うから仕方なく産んだのよ!”…ってはっきり言われちまって…一番言われたくなかったことを一番言われたくなかった人に言われて…俺はその日に壊れたんだ…気づいたら家飛び出してて…そこから友達の伝で住み込みで働かせてくれる所で働いて…学費は納めてくれてたから学校行きながらとにかく働きまくって…金貯めて大学も行って…今に至るってわけだ…」話終えるとふう…と息を吐いて「…だからさ…こんな俺の好きとか愛してるって…どうなんだろうって…両親にすら愛して貰えなかった俺は…誰かを愛せるのかって…不安なんだ…。…俺さ…お前を見てるとずっとお前と一緒にいたい、護ってやりたい…めちゃくちゃにしたい…大事にしたいって…思うんだ…こんな俺でも…お前を好きだって…愛してるって…言って良いのか…?」震える声でそう続けて)
トピック検索 |