遠野 千尋 2017-09-16 18:35:11 |
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…!?
(寒い廊下をウロウロしていると突然保健室の扉が開いて相手が顔を出してはビクッと肩を震わせて、微かな抵抗をしながら手を引かれて保健室の中へと導かれて。温かい保健室、いつもと変わらない優しい笑顔と頭を撫でてくれる手。それに相手の様子から廊下でウロウロしているのを自分だと気付いてくれたことが分かり。そのどれもが自分を安心させてくれて嬉しいはずなのに、今日は心がキリキリと痛んで相手の顔をまともに見られずに微かに下唇を噛み締めて顔を俯かせて。相手の問いに中々答えられずに目を伏せていたがずっとこうしている訳にはいかないのは分かっていて、震える唇を微かに開いて声を発そうとする。しかしやはり核心を突くのが怖くて怖気づけば自分の手をギュッと握りしめて「…別に何もないし…」と漸く絞り出した声は掠れていてすねているの丸出しでひどいもの。こんな天邪鬼ここに居ても相手の邪魔にしかならないと勝手に思い少し視線を上げたところで保健室のデスク横に置かれる相手の鞄にお揃いのストラップがまだついているのが目に止まり。キュウと胸が苦しくなっては「…あれ、もう外したほうがいいんじゃないの。」とはっきり何かは言わずに思ってたよりも低い声が出たのに内心自分でも驚きながらスッと相手に背を向けては保健室から出ていこうとして。)
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