遠野 千尋 2017-09-16 18:35:11 |
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あら…そうなの?でも貴方の学校の校長先生からは良い返事が出来ると伺っていたのよ。
(相手からはっきりと結婚を断られればしゅんとした様子で俯きつつさり気なく開けられた距離を再び縮めると相手の服の裾を掴んで『私自分では限られた中でしか結婚相手を決められないの。親にこの中から決めろって…その枠内でしか。今までも無理矢理お見合いをさせられたけどピンと来なくて断ってきたわ。でも貴方は違った。千尋さんは写真を見たときからこの人だって思って、初めて自分からお見合いをしたいと思ったわ。貴方が無理なら私はこのあと妥協した男性と結婚することになる…。でもその覚悟は出来てるの。だから貴方に無理矢理結婚しろなんて言わない。ただ少しだけ私に夢を見させてくれないかしら?』見合い相手は俯かせていた顔を上げると切なげな表情を浮かべて、明日学校が休みの一日、自分と恋人のフリをして欲しいと続けて。『ね、お願い。いいでしょ?』と相手の手を両手で包むと少し強引であざといながらも必死な様子で上目遣いで相手を見詰めて。)
(その頃自分は家に帰ってきては布団に寝転がってスマホ画面とにらめっこしており、相手宛に送るメールを打っては消してを繰り返していて。メールをして何になるんだろうとただ迷惑だけなんじゃないのかと思いながら数時間思い悩み【明日、遠野ち行ってもいい?料理教わりたい】と可愛げのないそっけないメールを送ってはポイッとスマホを放り投げて仰向けに寝そべるとハァと息を吐き出して。そしてチラリとさっき投げたばかりのスマホに視線を送っていて)
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