もーもーかんとりー < 非募 >

結構有名じゃね？…まぁ、レトルトの事だから単純に月が綺麗だって思って言ってんのかもとか思ったけど、そうじゃなくて安心した。( 何故か此方が怒鳴られている状況に納得がいってない表情を浮かべるも、そんな事もどうで良くなる程に相手と同じ気持ちだったという事は嬉しい様で、漸く此方へと身体を向けられては辺りに人がいないのを良いことに相手の背へと両腕をしっかりと回し抱き寄せては幸せを噛み締める様に肩辺りへと額を押し付けて ) …俺も、前から大好きだった…前家行った時に抱き締めたのも、折角酒飲んでんだから少しくらい許されんじゃねえかって、考えてた。

ちょちょちょ、あんま見ないでよ！…ほら、これで良いでしょ？結構でかめだしそんなロックっぽくもないし。( 何が似合うだろうか、折角なら好きなものを着てもらいたいと箪笥の中を物色していたが、いつの間にか半裸で背後から覗き込む相手に気が付いては驚いた様に肩を跳ねさせて、なるべく相手の方へ視線を向けないまま適当なシャツを相手へと押し付けては逃げる様にキッチンへと向かい。やはり普段ヘラヘラしている為か少し語気や口調を強めただけで焦る相手を面白そうに見遣るも、以前揶揄って怒られたことを思い出しては其れ以上は何も責めずに安心した様に表情を緩めて ) そう？ならこれから真剣に考えてく、俺ベース弾ける所が良いなぁ。

有名かぁ…、…俺もその返し来ると思ってなかったから、すげー嬉しい。（　自分は気づかれないと思っていただけに、有名と言われてしまうと少々不満げながら小さく頷き、然し結果的には相手の気持ちが知ることができたのもありついつい嬉しげに眉尻を下げて頬緩ませ。あの時のように抱き寄せられるが、今回はしっかりとした手つきで抱き締められ、緊張で一度体が固まるもふわりと相手の香りがすると心安らぎ、肩に擦り寄る相手の後頭部に手を回し、もう片手を背中に回して自分も抱き締め返すと幸せに思いながら首を傾け相手の頭に擦り寄り、緩む頬を抑えないで、　）そんなこと思っててくれたんか。…俺あん時、好きな人おるって言ってたから、抱き締められて嬉しかったけど、悲しかったんだよ。

…あー…、可愛いー…っ。なんだあいつ、マジで可愛いわ。（　自分の存在に気づいた途端慌てた様に、最終的には自分に服を押し付けて出ていく相手の背中をぽかんとした表情で見送るも同性の半裸など流石に何度も見たことがあるであろう相手が動揺した姿を思い出し思わず悶えたくなる気持ちを抑えながらずるずるとその場に屈んでは思わずぽつりと感想を零し。いつまでもそうしていられないことは分かっており、数秒してから立ち上がると相手の洗剤の香りがするそれを身に纏い、自分の服は相手に洗濯してもらおうという横暴な判断のもと、先に洗面所のほうによって洗濯機に自分の服を入れてから相手が逃げて行ったキッチンへと足を向け。相手にからかわれていたとは梅雨知らず表情が和らいだのを見てからほっとしたように一息吐いて胸を撫で下ろし、未来の話し始める相手にふむと自分も考え始めると真っ先に思いついたことを口にし、　）２人とも実況撮れる部屋欲しいよな。あ！サッカーしたい！庭つけようぜ！

( 少々不満そうな様子に気が付いては可笑しそうに口角を緩めながらも、何だかんだ言って幸せそうな表情を見る事が出来ては無意識に抱き締める力も強まっていき、今後抱き締められる可能性など皆無だと思っていたせいもあってか回された腕を感じてはじわじわと目頭が熱くなっていくのを感じ。其れを誤魔化す様にか目元を肩へと押し付けつつ堪えていたものの、流石にいつまでもこの状態の訳には行かないと身を離しては僅かに震える手を抑えつつ相手の手を柔く握り締めるも、次いだ相手の言葉が意外なものだったのか目を瞬かせては緩く首を傾けて ) …正直ばれてると思ってた、だから今日も告白してくれてんのかと思ったけど、普通に勘違いしてたのか。

っ…もう…、…あんな格好でうろちょろしたら風邪引くでしょ、( キッチンへと入っては未だに火照っている頬を掌で押さえ付けながら心臓に悪い等と文句を吐いており、漸く収まった頃にきちんと服に身を纏った相手がついてきては安心した様に胸を撫で下ろし、先程の行動を注意する様にちらりと視線を遣って。今度は口を滑らせなかったと安堵しつつも、次いだ相手の家の理想を聞いては豊かな創造力を膨らませてか尚更楽しみになってきた様で、子供の様にきらきらと目を輝かせながら話を聞いていたものの、直ぐに最悪の場合を想定してしまっては僅かに表情を暗くさせ ) あー庭いいね！実況部屋も！キヨとのコラボ多くなったらコメントとかで何か言われちゃいそうだね、もしかたら同棲バレるかも。

当たり前でしょ。好きな人いるっていうし、その割には俺の事抱き締めたり頭撫でたり頬触ってきたり、かと思えば悲しそうな顔ばっかするし。…あれなら、気付かれずに言えるかと思ってさ。（　暫くは相手と抱き合い、時折背中を優しく撫でていたが流石に離れていく相手を引き止めることはせずに、離れていく相手の温もりを心底では惜しみ軽く相手に頭擦り寄せてから離れ。緩く握られた手に視線を落とし、相手が不思議そうに聞いて来る言葉に先日のことを思い出し、視線を手元に落としたまま愚痴のように呟きながら、思い出したせいでぶり返したのか耳許紅潮し、気恥ずかしげに少し震えている相手の指と絡ませて繋いだり、細い相手の指をゆっくりとなぞったりと忙しなく手先を弄って、　）

あれぐらい風呂上がりとかもやってるし、…引いたらジーフーが看病してくれんだろ。（　意外にも相手から借りた服は動きやすいもので、気に入りつつキッチンへ行くとすっかりいつも通りの表情をしている相手に内心残念に思い。母親のように注意して来る相手に呆れた様に前者は返しつつも、ふと風邪引いた時のことを想像すると自分の家にも平気でやってきそうな相手が容易に想像出来、信じて疑わないそれを考え思わず愛おしげに表情が緩んでしまって。サッカーできるほどの庭、なんて無茶な話に乗ってくれる相手に自分も楽しげにあれこれ考えるが、ふと相手の声のトーンが変わるのをすぐに察知し相手の表情へ視線を戻すとまたも表情が暗いその姿に逆にあまり考えない自分はあっさりと返事をし、心配そうな相手を安心させるためよしよしと頭撫でてやり、　）そん時はそん時だろ。公表するなりテキトーに誤魔化すなり、そん時考えればいいから。…公表して何言われても、お前から離れる気はねぇよ、俺。

仕方ねえだろ、一生気持ちなんて伝えないつもりだったし…、好きな奴に気軽に触れねえし、こっちも結構色々我慢とかしてたんだよ。( 辺りを気にして身を離したのは良いものの、名残惜しそうに頭を擦り寄せて来る様子には悶えてしまいそうになる気持ちを何とかぐっと堪え、忙しなく動かされている手元へと視線を落としては、手に触れるにしても今までとは違い何処か意識している様な触れ方にやはり胸の鼓動は収まらず、緊張しているのは自分だけかとちらりと相手の表情を盗み見ては赤く染まった耳に気が付き、吃驚した様に目を瞬かせながらも同時に安心した様で胸を撫で下ろして。不意に階下から僅かに聞こえてきていた祭囃子も聞こえなくなり始めては未だに食べきれていないたこ焼き等を袋へと詰めてからゆっくりと腰を上げては、相手へと視線を向けつつ曖昧な問いを投げ掛けてみて ) …そろそろ祭終わるっぽいけど、どうする？

いや、そりゃあ看病はするけどさ…風呂上がりとかでもシャツぐらいはせめて着てよ、キヨだって俺が裸でいたら吃驚するでしょ。…えっと、何か食べたいのある？( 未だぶつぶつと文句を呟きながらも普段自分が身に纏っている服を相手が着ている事に気が付いては予想以上に良いと其の姿をじっと数秒見詰めていたものの、流石に不審に思われるかと視線を逸らしつつも未だに僅かに寝癖の残る髪を撫で付けながら緩く首を傾け問い掛けてみて。自分の様にうじうじと考えていない様子の相手の言葉に驚いた様に目を瞬かせるも、直ぐに賛同する様に小さく頷いてはこんな自分の思考は女々しいのだろうかと何処か照れ臭そうに眉を下げつつ笑うも、頭を撫でる手に今はそんな事はどうでも良いかと心地良さそうに表情を緩め相手の掌へと擦り寄って )…確かにね、今から悪い方向ばっか考えちゃ駄目だよね。ごめんね、キヨ。

じゃあ俺が言わなかったらうっしーも誤解したままだったじゃん、褒めてよ。（　相手とこんな風に指先絡ませることなど無かった為に、それを堪能しぎゅっと指を絡ませては自然とこれだけで幸せになり、表情を緩ませ、元は言う気がなかったという相手にちらりと視線上げると自分がきっかけを作った、と少しばかり自分でも言ってよかったと安心すると同時に戯けたように上から目線で告げると悪戯っぽく笑って見せて。相手に言われふと耳を澄ますと確かに音は静かになっていて、繋いでいた手を名残惜しそうに手放し残っていた数少ない、冷えたたこ焼きをさっさと食べ終え、慌てて立ち上がると同時に問い掛けられた曖昧な問いに最初は緩く首を傾げるがふと思いついた願望にじわじわと頬赤らめ、初々しすぎると自分でも照れくさくなりながら視線足元に落とすと相手の浴衣の袖に手を伸ばし、軽く掴んで、　）えっと…、もうちょっと一緒にいたい。俺の家でもいいし、そっちでもいいから。

いや多分お前が裸でいたら俺が容赦なく襲うわ。…んー…、特にないから、朝昼兼用で出先で食わね？カフェ行きたいって言ってたし。（　自分よりも肩幅がしっかりしているというのもあり少しサイズはあってないが、違和感はあまりないであろう相手の服を見下ろし、「　彼シャツってやつか　」なんて思わず頭を過ると相手の視線に気づかないまま相手の服摘んで。ふと撫でられた心地に視線を向けると暫し考えてから、昨日寝る間際に言っていた事を思い出し、時計指差しては朝とも昼とも微妙につかない時間指し示し、相手と早く出かけたいなんて欲求のまま思いつきで提案し。擦り寄ってくる愛らしい姿に思わず背中に腕伸ばして抱き締めると先程まで悩んでいた相手を慰めるようにぽんぽんと背中を撫で、腕の中の温もりを失わないようにしようと改めて心に決め小さく一人頷くと抱き締める事で目の前にある耳元に唇寄せて軽く口付け、懐かしむように双眸細めつつ表情を和らげ、　）今に始まったこっちゃないからいい。すぐ心配そうにするもんな、お前。この心配性。

…男らしい所あるじゃん、ちょっとだけ見直した。さんきゅ。( 嬉しそうに表情を緩める様子を見遣っては釣られる様に此方も口角を緩めていたものの、そんな雰囲気をぶち壊す様にドヤ顔をしつつ告げられた言葉には暫く渋る様に視線をさ迷わせていたものの視線を戻しては素直に言葉を吐いて褒めてやる様に柔らかい相手の髪をわしゃわしゃと撫でてやって。自分の問い掛けに対してじわじわと頬を赤らめつつ浴衣の袖を掴んでくる相手を見遣っては、直ぐにでも抱き締めてしまいたい気持ちに駆られるも何とか抑え込んでは、相手の歩幅に合わせながら自宅へと向かっていきつつ冗談混じりに笑いつつ呟いて。 ) 此処からだと俺の家のが近いし、俺の家で良いんじゃね？…最悪泊まってけば良いし。別に直ぐに捕って食うつもりもないし。

ばか！…あ、じゃあそうしよっか、準備するからキヨも顔とか洗ってきなよ。( 突然告げられた発言に思わずツッコミを入れながらも、昨夜言った事を覚えてくれていたのだと何処か嬉しそうに表情を緩めつつも相手の背を洗面所へと押し遣りつつ、自分はバッグに財布や携帯の他にティッシュやタオル等と色々な物を詰め込んだりと普段より張り切った様子で出掛ける準備を始めて。相手から掛けられる優しく温かい言葉に思わず目頭が熱くなりはするも、馬鹿にされると落ち着くまではと相手の肩に目元を押し付けたままじっとしており、不意に耳元へと口付けられては大袈裟に肩を跳ねさせては漸く顔をあげ不服そうな視線を向けており ) そりゃあ心配するでしょ、…でも俺もキヨが居てくれれば他は何も要らないかも。だから色々考えるの止める。

…しょ、正直に褒められると思ってなかった。急に素直にならんといて…、（　どうせまた小馬鹿にされるなり乱暴な言葉が返って来るなりするのかと思っていたがその気配もなく、不意にその綺麗な指先が自分の髪を撫でるのを実感すると予想に反した素直な言葉に心鷲掴みにされる心境になり目許赤らめるも可愛いと悶絶したくなる衝動を抑えながら相手の手つきに甘んじ、動揺しながらも返事をして。浴衣の袖を掴んだまま境内の階段を降り、人通りも先ほどより減ったが人目のあるところを通ると自覚すると相手を一瞥してから手を離し、寂しさ感じていた所に相手の家に行く話が出るとパッと顔を上げ、ついさっき気持ちが通ったばかりで緊張はするも、嬉しげに小さく頷くと相手が合わせてくれているが少しばかり歩調を早め、相手の冗談に軽く肩叩くも視線合わせられずに他所を向いて、　）ばーか、大人しく食われると思うなよ。ほら早く連れてって、道分かんないから。

押すなよ、分かったから！───…、。（　思わずにやにやと反応を観察しているも洗面所へ行けと言わんばかりに背を押されては前のめりになりつつもリビングを後にし洗面所向かい。起き抜けの顔を洗い、相手が撫で付けてくれたおかげかほとんど直っている寝癖を軽く指先で直してから鞄を取りに行こうと再びリビングまでやってくれば、入口で相手が張り切って準備している様子を気づかれないよう足を止めて眺め、あまりにも無邪気なその様子に微笑ましげに表情緩ませば、思わずポケットからスマホ取り出すとパシャリ、と一枚その風景を撮影し。相手のあげた顔はもう既に落ち込んでいない様子が見え、内心安堵しては不満げなその顔とは対照的にけらけらと笑い、片手で相手の前髪を上げるとこつんと相手と額を合わせ、くすぐったげに双眸を細め、　）考えんのやめんなよ！…まあでも、どーせまたお前の事だからこう言っても不安になるだろうし、しょうがねえから傍でこうしてやるか。

いや理不尽過ぎるでしょ、…でも結構本気で感謝はしてる、俺からは伝えられる気してなかったし。( 目元を赤らめながらも素直に撫で受けている相手に優し気に目元を緩めては、少しくらいなら許されるだろうと自分より僅かに背丈のある身へと腕を回し抱き寄せては首元へと顔を埋めつつﾎﾟﾂﾘと呟く様に言葉を吐いて。折角気持ちが通ったのに人前では手を繋いだり等恋人らしいことが出来ないのは少々不満には感じていたが、明らかに以前までとは違い自分の事を意識してくれている様な相手の言動には純粋に嬉しく思いつつ、暫く歩いて祭の道から逸れては人も殆ど見掛けなくなり、今なら大丈夫かと相手の手を緩く握り締めながらも次いだ言葉には悪戯っ子の様に口角を上げつつ最低な言葉を吐いては可笑しそうに笑い声を上げて )レトルトって意外と流されやすいタイプだろ、直ぐに股開きそう。

っ、…キヨ！また撮ったべ！？( 相手が戻ってくる前に準備を終わらせようといそいそと手を動かしていたものの、僅かにシャッター音が聞こえてきては目を瞬かせつつ顔を上げると直ぐに其の音源の元を特定して、不機嫌そうに頬を膨らませてはじとりとした視線を向けて。不意に額同士がこつんと当てられては吃驚した様に双眸を丸めるも、じわじわと顔に熱が集まっていくのを感じては慌てた様子で相手から身を離し、いそいそと赤く染まった顔を隠す様に上げられた前髪を降ろしていっては照れ臭そうに視線をさ迷わせていて ) …い、一緒にいてくれるのは嬉しいけど、そういうのはなんか、恥ずかしい…。

…やっぱり、あんときずっと寂しそうな顔ばっかしてたのって、俺のせい？（　撫でられるだけでも心満たされていたが、徐に相手から抱き締められ以前と同じ状況ではあるが幸せすら感じ、不意に相手の言葉に以前の寂しそうな表情が思い出されては、相手の黒髪に指先を通し梳く様に撫でながら、少し眉尻を下げつつしょんぼりとした様子で相手に囁き掛け。人通りのない道に下駄で歩く音が響けばふと手に触れる相手の手の温度にすらどきりとし、ちらりと視線落とし自分もとそっと手を握るが、相手の発せられた言葉に憤慨する様にぱっと顔を上げるも一応は外であり大声を上げるわけにもいかず笑い続ける相手睨みつけ、軽く手を引っ張って反抗し、　）はぁ？！そういう事恋人にいうもんじゃないでしょ！このゲス沢！

いやぁ、あんまり子供っぽくてさー。したっけ撮るしかねーだろ？（　案の定直ぐにバレてしまうも先程の反省をほとんど生かさず一応スマホで撮れていることを確認してからポケットの中へとしまいつつ相手の元に歩みより、子供らしい仕草の相手に思わず口許にやつかせてしまうと意外と柔らかい相手の白い頬を指先でつついて。至近距離にいる相手の顔に気恥ずかしさがないわけではないが、相手が動揺してしまっている優越感に口角を上げ、身を離す相手に両手を伸ばすと相手の頬の両側を手のひらで包み込み、紅潮し困り切った瞳をしている相手の顔を無理やり此方に向かせて覗きこみ、指で相手の赤い頬をなぞって、　）そーいうのって、どういうのだよ。恥ずかしいセリフポンポン吐いてるだろ、お前。

ん？別にレトルトのせいって訳じゃないけど、…ただずっとこのまま隠しながら一緒にいなきゃなんねえのかって、少し思ってたかも。( 問い掛けられた問いには吃驚した様に目を瞬かせていたものの、大人しく撫で受けつつ当時思っていたであろう言葉を返しては安心させてやる様に背を摩ってやり、今ではそんな不安は無いのか幸せそうに相手の肩元へと顔を埋めており。突然手を引かれては驚いた様によろけはするも直ぐに態勢を立て直し、自分の一言に想像以上に反応する相手には双眸を瞬かせながらも直ぐに嫌な笑みを浮かべては揶揄う様に視線を向けはしたものの、じわじわと相手から発せられた恋人という言葉には照れ臭さが増していき結局は中途半端な言葉を返して ) ず、図星なんじゃねーの？そこまで慌てるってことは。

もう、…ほら早く行くよー。( 悪びれた様子も無く傍へと寄ってくるなり自分の頬で遊ぶ相手には相変わらず不服そうな表情を浮かべており、相手が目を離した隙にでもフォルダから自分の写真を消去しておこうと目論んでは用意し終えたリュックを背負い普段の様に声を掛けては玄関にて靴を履いて。身を離そうとするも其れは許されず捕まってしまえば指先の擽ったさに身を震わせていたものの、愉しそうに口角を上げている相手の表情を見遣っては此れは此れで良いかもしれないと自分の掌を相手の掌へと重ね合わせては指先から手の甲を撫でる様に滑らせ問い掛けの答えにはなっていないものの表情を緩めつつ言葉を吐いて )…そうだね、キヨと一緒に居られるだけで幸せだよ俺は。

…すんごい不謹慎なこと言うけど、そうやって気持ち隠しながらでも一緒に居たいって思っとってくれたんだね。そこは嬉しい。（　自分の所為じゃないと慰めてくれる手つきに安堵しながらも身近に相手の息遣いを感じながら当時の心境を聞くと、この場には合わない返答だと知りながらついつい嬉しさに口角を緩ませ、相手の方に犬のように擦り寄り、当時から既に想われていた実感を得れたことにしょんぼりとした様子を引っ込め。すっかり相手に遊ばれている事等自分で気づくはずもなく、上手く言い返そうと表情顰めて口尖らせるも相手の言葉に勢いがなくなったのを察し、然しそれがなぜなのか分からず訝しみながらも頬膨らませて相手を見つめ返し、　）俺がそこまで尻軽に見えるとは信用されてないみたいで傷つくわー。

りょー。…あちー、天気よすぎかよ…。（　むにむにと触り心地の良い頬を愉しんでいたが早々に切り上げられてしまい、仕方なく手を離して昨日放置した鞄を手に取って自分も背負うと玄関にいる相手の方に急いで駆け寄り、靴を履いて。外に出ると天気も良く出かけやすいが照り付ける日差しや夏の湿気に早速げんなりとした表情を出し。無理に引き寄せたのだから尚の事反応を示すだろうと考えていたが、自分の手を撫でる相手の手つきにきょとんと双眸瞬かせていると、答えになっていない不意の言葉に、今度は自分が照れくさくなると緩められた頬を一撫でしてから手を離し、嬉しさはもちろんあるが素直ではなくそっぽ向いてから歩き出して、　）…欲なさすぎかよ、お前は…。

…そりゃあ、叶わないからって簡単には諦められねえだろ。(安心した様に表情を緩めた相手の表情を盗み見ては此方も目元を緩め、犬の様に擦り寄ってくる様には今迄そんな事をされるとは考えた事も無かった為かじわじわと頬を赤く染めていっては顔を見られない様にとじっと抱き締めたままの態勢でいて。自分の態度が癪に障った様で頬を膨らませて此方を見詰めている相手とは視線が合わせる事が出来ずそっぽを向いてしまうも、次ぐ言葉にはそういう意味で言った訳では無いと慌てた様に訂正をしては謝罪の意も込めてか手をきつく握り返して)…いや、別にそうとは言ってねえだろ…、レトルトは、無防備だしどっかの輩に獲られねえか心配なんだよ。

確かに天気良いねー、でも晴れて良かったべ！(相手とは真逆に照り付ける日差しを見上げては満足気に表情を緩めて、のそのそと歩く相手の服を緩く掴んでは急かす様にしながら相手と行きたいと思っていたカフェへと脚を進めていき。相手の細く骨ばった手の感触を楽しんでいたものの早々に手を引っ込められてしまえば残念そうに眉尻を下げるも、照れ臭そうな様子に気が付いては可笑しそうに笑いながらもぴったりと身をくっ付けて)…キヨと居られるってだけでも十分特別でしょ？ゆってキヨも我が儘じゃないしね。

俺今初めてぐらいにこんなにうっしーが可愛く思えるわ。…なあうっしー、こっち向いて。（　気持ちが通う前とは比べられない程相手を意識してしまうと、抱き締めている状態から少しだけ身を離し、相手が顔赤くしているとは知らず相手の顔が見たいとふと思い至ると未だに自分の肩元に顔埋めている相手にそっと囁き掛け。揶揄う表情から一変して此方を向く相手の表情に少し驚き、心配されていることに嬉しさ感じて表情が緩みそうになるが、どうせなら自分も仕返しをしてやろうと内心で企めば拗ねたような表情のまま繋いでいる手をいじけたように軽く振り、歩きながらも視線を相手と合わせず地面に落として、　）直ぐ股開きそうってそういうことやろ。それに、…俺が好きなのはうっしーだから、取られんよ。

お前よくそんな元気でいられるよなぁ。いや出掛けんなら晴れてる方がめんどく無いけどさ。（　自分の服を掴んで引っ張る相手に潔く歩調を合わせてついていきながら、横目で相手を見やると先程とは打って変わって機嫌の良さそうな姿に自分も釣られるように口角をあげればけらりと笑いながら相手を揶揄う口調で告げ。照れ臭そうにガシガシと後頭部を掻きながらも相手から視線そらしているとぴとりと隣にひっつく相手にぴくっ、と肩を跳ねさせ恐らくは揶揄っているのではなく素で言っているであろう言葉を擽ったく感じれば僅かに頬を赤らめ、軽く相手の肩を手をグーにして殴り、　）うるせー…！こっぱずかしい事ばっか言うな。

…無理に決まってんだろ、阿呆か…。( 不意に耳元にて囁かれた言葉には大袈裟に身を跳ねさせ収まるどころか更に熱を帯びていく頬には小さく舌打ちを漏らし、相手に悟られない様にと荒々しい言葉を吐きつつ一向に顔を上げる気配はないまま引き離されない様にと相手の服をきつく握り締めており。拗ねた表情のまま腕を振られては子供みたいだと口にしそうになるも何とか押し留めては、何とかして機嫌を直してもらおうと道中にも関わらず抱き寄せては宥める様に背を軽く叩いてやり )…別に実際そんな事思ってないし、もう言わねえ…コンビニで何か奢ってやるし機嫌直せよ。

えー、なんか良い事起きそうな予感しない？現にキヨとこうやって朝からデートも出来てるしね。( 何だかんだ言いながらも楽しそうに表情を緩めている様子には安心した様に胸を撫で下ろし、友人と以前行った際にお気に入りとなったカフェに着いては相手の事を気遣ってか服からぱっと手を離しつつ店内へと入っては案内された席へと腰を降ろして。頬を赤らめている相手に気が付いてはにやにやと嫌な笑みを向けていたものの、肩を殴られてしまえば残念そうに眉根を下げつつも小さく反論を溢しては相変わらず身を寄せたままでいて ) いったい！…もうこれでも我慢してる方なんだからー。

ええぇ、あかんの？絶対可愛いでしょ今。…耳赤いよ？（　素直じゃない相手が大人しく従ってくれないであろうことは予想がつき苦笑いを零しつつも顔を上げないように縋り付いてくる手つきにはついついにやけてしまい、返す言葉もどこか嬉しそうで。耳の色は大して変わっていないのだが試しにカマをかけてみようと密かに微笑むと指でつんつんと耳朶に触れて揶揄い。夜道で人がいないからとはいえ先程からしないように堪えていたのに抱きしめられては意外な収穫にぱちくりと目瞬かせてからぷっ、と思わず吹き出し、腕を相手の背中に回しぎゅっ、とキツく抱きついてから愉しげに声上げて笑いながらあっさりとネタバレし、自分からすんなりと離れ、　）ごめん！揶揄ってくる仕返しのつもりやったんよ。怒ってないし拗ねてないから。あ、でもコンビニでなんか奢ってくれてもいいけど？

って言ってて急に土砂降りだったらウケるなー。…甘いもん食いてーなぁ。（　なんて相手に茶々を入れるような事をしれっと吐きつつお洒落な外観のカフェに辿りつくと自然と離された手を一瞥してから仕方ないと自分に言い聞かせて店内へ。相手と向かい合う形で席に着くとメニューをとってやり、相手と見れる様中央に置いてから一緒に覗き込んでは視線をメニューに落としつつぽつりと呟き。流石に相手を本気で殴ろうとはしないがその後もくっつく相手を呆れ交じりに見てから頬に残る熱を下げようと手でパタパタと仰ぎ、身を寄せている相手に自らもさりげなく近づき、徐にするりと手を繋いで指先を緩く絡ませ、視線は相手から逸らして、　）何我慢してるのかしらねーけど、…俺もお前といると楽しいから、な。

っ…うるせえ、そりゃあ赤くもなるだろ…。( 決して顔は上げまいと俯いていたものの、不意に耳朶へと触れられつつ告げられた言葉には疑う事もなくピク、と小さく肩を跳ねさせ、これ以上顔を隠していても一向に熱は引かないだろうとたかを括ったのかゆっくりと相手から離れては横目で恨めし気に睨み付けながら呟いて。存外本気で心配している様で不安気な表情を僅かに浮かべはしていたが、突然吹き出す様に笑い声を上げる相手を目を瞬かせつつ見遣り、次いで聞こえてきた言葉にはじわじわと顔に熱が集まっていくのを感じながらも眉間に皺を思い切り寄せては下駄で相手の脛を蹴り上げては待つ事もせずに自身の家へと向かい足早に歩き出し )…っ買う訳ねえだろ！馬鹿！

もう止めてよ…、あ、此処のパンケーキ美味しかったよ。どう？( 雰囲気をぶち壊す様な発言をする相手には不満そうな表情を浮かべていたものの、甘いものが食べたいという相手にメニューに載っているパンケーキを指しては提案する様に小首を傾げ、自分は適当に人気のパスタや珈琲でも頼もうかと決めては思い出した様に相手の携帯へと視線を遣っては駄目元ではあるが「少し貸してくれない？」等と声を掛けてみて。本気で自分から離れようとはしない相手に嬉しそうに表情を緩めては犬の様に相手の方へと擦り寄るも、手を握られては少々吃驚した様に目を瞬かせながらも次いだ言葉には相手へと視線を向け幸せそうに柔く笑んで )っ俺も…俺も楽しいし嬉しいし幸せ…あー、本当キヨ可愛い。こういう事いつも思ってるのに言うの結構我慢してるんだよ？

…無防備で、ほんと不安になるわ。ようこれで誰にも取られんかったな。ほんま可愛い。（　あっさりと騙されてくれる相手に少々不安に思うも上げてくれた顔はすっかりと赤らんで、色気すら漂うその姿に鼓動高鳴らせ、手の平でゆっくりとその頬を撫でてからようやく見れたその顔に満足げに笑みを浮かべ。ずっと騙すというのは自分の中の良心が咎め、結果怒らせてしまったものの痛みに飛び上がり暫しジンジンと痺れるそこに涙すら浮かべつつ一瞬見えた相手の顔が赤かったのを見ては決して嫌われたわけではないことに少し安心して。痛みが引いてから少し足を引きづりつつも相手を追いかけ、隣に立てば本音を口から溢しつつ頬を指先で掻き、　）いったぁ、ッ！！…──…コンビニ寄るよりも早く家に行きたいってのも事実やけどね。

お、食べる食べる。飲み物どーすっかな、メロンソーダでいいか。…いやですー！写真消すつもりだろどーせ。（　昨夜に続き再び甘いものだが大して気にもせず視線を落としたままぽんぽんと思った言葉を発するが此方に視線向けていることに気づけば自分も視線を上げ、携帯を要求されると態とらしくそれを掴んで相手から離し、先程のことを思い出しては口角にやりと上げつつも首を横に振って。相変わらず自分を可愛いと称しているが相手の方が犬らしくよほど可愛いと思いつつも言われ慣れない言葉に眉間に皺寄せ照れた様に少し俯き。幸せそうな声に自分も気分高揚しつつ気恥ずかしさを堪える様に相手の手を握る力を強め、自分以上に心情を容易に吐露する相手への羨ましさにぽそりと吐き捨て、　）っ、そーかよ。ほんとお前は可愛い可愛いってよく言えるな、これで我慢とか阿呆じゃねーの。

っ…それ、男に言う言葉じゃねえだろ、…ほら、さっさと行くぞ。( 告げられた言葉には理解出来ないといった様子で眉根を寄せていたものの、突然手が伸びてきたかと思えば反射的に目をきつく瞑りはしたが、優しく頬に触れる感触には直ぐに安心した様に双眸を薄く開き、文句を言おうと口を開こうとした所で表情を緩められては怒るに怒れなくなってしまい弱々しく眉尻を下げては誤魔化す様に手を軽く払うなり先を進んでいってしまい。脚を引き摺りつつ追い掛けてくる様子には無意識に歩むスピードを遅めながらも漸くアパートへと到着し、ゆっくりと階段を上がり自分の部屋まで来ては鍵を開けるなりリビングのソファへと勢い良く腰を降ろし大きく伸びをして ) あー、疲れたー。

分かった、俺のパスタもちょっと分けてあげるね。えー…別にそんなつもりで言った訳じゃないけど…。( 携帯を寄越す気配の無い相手に僅かに眉根を寄せるも一度疑えば頑として手放さないだろうと諦めた様子で手を引っ込めて、丁度良く来た店員へと自分と相手の分を注文しては楽しみなのか表情を緩めており。顰めっ面の様な表情を浮かべているものの更にきつく握り締められた手元へと視線を落としては照れ臭いのだろうと容易に想像がつき、愛しそうに双眸を細めては相手へと視線を向け、相手が俯いた事で目前に来た項に気が付いては其処へと唇を押し付けて軽く吸い付いては薄い痕が付き目を瞬かせて ) 本当はもっといっぱい言いたいの！…わ、付いちゃった。

お疲れさま、でもそんな疲れる事してないからね？（　流石に可愛いと言いすぎたか、と眉尻下げて内心反省しながらも強く拒否されないのをいいことに指先で相手の頬をすり、と撫で、スタスタと先を急ぐ相手に歩調を合わせて自分も相手の家へと足取りを早め。あまり踏み入れることのない相手の部屋に少し緊張しつつも相手の後ろについて部屋へ下駄脱いで素足で上がり込めば早速とばかりにソファで寛ぐ相手を見下ろし緊張が和らいでは大人しく相手の隣に腰を下ろし、疲れている相手をねぎらう様にして片手を伸ばし、よしよしと頭を手の平で撫で回し、　）

じゃあどういうつもりだったんだよ。（　相手からも少しもらえるとわかれば楽しみにしつつも如何にもデートらしいその行為に、注文している相手の横顔を見ながら照れ臭そうに少々口角上げて笑い。然しそれ以外の目的で相手が自分の携帯を欲しがる理由が分からず、諦めたのを見てから自分も携帯をテーブルの上に置いてから訝しげに首を捻り。俯いていたからか相手の行動が分からず項に柔らかい感触が当たればびくっ、と驚きに肩跳ね上げすぐに相手の顔を見ると反射的に座れた場所に手のひらを当てて押さえ、その発言に意味を理解しいきなりの事に双眸見開き口をパクパクと開けて言葉探してからどきどきと内心鼓動高鳴りながらも声を上げて、　）付いちゃった、じゃねーだろ！おま、いきなり、…っ、実況とか実写とかあるだろ！