ペラペラの紙 2017-03-29 01:55:49 |
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>ルイン様
(肌を撫でる外の風が心地良い。ここから中に戻りたくない、食べられたくない、この身にまとわりついた主人の香りを流してくれるこの夜に…此処にいたい、そう思うのは狼としての本能だ。そして、此方へやって来る主人の気配から逃げずに、大人しく下で待つのは執事としての責務。こちらを見下ろした主人の目元は濡れていて、酷く気怠げな姿に…もう少し逃げていれば、きっと見つからずに朝を迎えられていたな、と惜しい気持ちになった。にこり、ともつかないニヒルな笑みはどこか嘲笑する様に歪んで「起きないルイン様が悪いのですよ」と唇が音を紡ぎ…数歩、窓の下から離れるように後退り。ほら、主人の手も牙も届かない距離に狼は、今いる)
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